第43戦(5月29日)

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150キロ福原でサヨナラ負け

5月初の連泣…でも1・5差変わらず

 「これが最下位のチームか…。勝ち目なしや」。西山に、木村にピシャリと抑えられるなんて…。変ぼうした強い巨人に野村監督が驚いた。ブロワーズに3戦連発が出た。だが150キロの剛腕・福原が、9回裏巨人松井に痛恨のサヨナラ打を浴びた。5月連敗なしの神話は崩れ、25日中日戦(福井)に続いて今季3度目のサヨナラ負け。でも中日と1・5差は変わらない。そう、歓喜の開幕GTシリーズも「1敗」からの逆襲だった。

5月29日・東京ドーム
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神
巨 人 1X
【勝】木村【敗】福原
【本】ブロワーズ5号(ソロ=三沢)

ノムさん悔やむ9回中継プレー

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 ア然、呆然…ベンチ右端の専用イスに座ったまま、野村監督は動けなかった。視線の先は、松井の打球が抜けていった右中間方向だった。2―2で迎えた9回裏。1死一塁から松井に右中間を抜かれた。一走の清水が一挙に生還。虎の中継プレーは、それを阻むことが出来なかった。5月初の連敗は、ショッキングな3度目のサヨナラ負けだ。

 「しょーがないな。勝ち目なしや。勝ち目が全然ないわ。カウント1―3になったから、松井は歩かせればよかったんだ。ああいうのが勝負弱いな。上手にストライクを取ろうと思うからやられる。福原自身も悔いが残るやろ」

 7回途中からリリーフした福原は、絶好調だった。8回に木村を三振に仕留めたストレートはナント150キロ。阪神の日本人投手としては、スピードガンが誕生してから最速をマーク。しかし、そんな快挙も1球で吹っ飛んだ。「150キロ? ハイ、知ってました。サヨナラは意識してなかった。あそこ(松井に)は思い切り投げました」。野村監督のボヤキにちょっぴり反抗してみせたのが、せめてもの意地だった。

 2回に先制されたが、ブロワーズの3試合連続弾で同点。敵失につけ込み、矢野の適時打で勝ち越した。5回には、メイが松井の左ヒジに死球をぶつけ、両軍の選手がにらみあう不穏なムード。野村監督まで飛び出して、謝罪した。「ぶつけようと思ってやったんじゃないが、謝るのが礼儀だからね」。その松井に、サヨナラ打を浴びたのも皮肉だった。

スタメン
阪 神巨 人
坪 井仁 志
和 田清 水
新 庄松 井
ブロワーズ清 原
ジョンソン高 橋
桧 山元 木
今 岡二 岡
矢 野村田真
メ イ三 沢

 「しかしなあ、今岡は行かんとアカンやろ。右中間でも行けと言ってるのに。今岡っちゅうのは…。和田が取ったから(三塁コーチは)回したのか、今岡だったら回さなかったのか微妙だけどな」

 バスに乗り込む直前、試合後イスから動けなかった訳を話した。サヨナラの中継プレー。ここに虎のスキがあった。松井の打球を新庄が取り、中継の和田へつながった。日ごろの指示通りに強肩の今岡が入っていたら…ホームを許すことはなかったかもしれない。ち密さこそ野村TOP野球。「あれで1点取られたのは問題やな」。松井ヘッドも、指示が浸透してなかったことを悔やんだ。

 「それにしても最下位とは思えないな。出てくるピッチャーがみんな140キロを超す球を投げるしな」

 この日まで6勝2敗と巨人をカモにしてきた。だが底力は侮れない。恐るべし巨人。虎が快進撃に浮かれるのはまだ早い。

<写真=松井を怒らせ松井にやられた。1・5ゲーム差は相変わらずだがサヨナラにノムさんは無念の表情>

76年に月間「連敗」なし

 <データセンター> ▼阪神は巨人にサヨナラ負けして、5月初の連敗を喫した。月間通算はここまで13勝8敗、勝率は6割1分9厘となった。この試合に勝てば、ひとつの月で連敗をまったくしなかった1976年(昭51)9月に14勝2敗1分して以来、23年ぶり(試合数の少ない10月を除く)の記録となるはずだった。この年は最終的には72勝45敗13分で勝率6割1分5厘と、2位に健闘した。安定した戦いで首位に肉薄していた阪神の連敗は4月27、28日の中日戦以来、約1カ月ぶり。またサヨナラ負けは4月16日ヤクルト戦(福岡ドーム)、5月25日中日戦(福井)に続いて今季3度目となった。


<福原悲劇メモ>

 ◆初登板で満塁被弾 4月2日の開幕戦、巨人戦(東京D)で4番手としてプロ初のマウンドも、8回に高橋に満塁本塁打を献上する苦いデビュー。

 ◆首位攻防でサヨナラ負け 勝てば2195日ぶりに単独首位に立つ5月25日の中日戦(福井)で、同点の9回裏に中村に中前打を許しサヨナラ負け。チームは1・5差に後退。

 ◆2試合連続サヨナラ負け 前回の登板と同様、5月29日の巨人戦(東京D)でも9回裏に松井の三塁打でサヨナラ負け。


メイ3死球で“あわや”

乱調で押し出しも

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 乱調メイが、あわや大乱闘となる死球渦を残した。2回に二岡、4回に村田真に当て、5回、3個目の死球を松井にぶつけた。激高した松井がマウンドに詰め寄り、両軍ナインも飛び出す騒動となった。

 「狙ったわけじゃないが、日本の打者は、少し内角をあけているので、厳しいところを突かないといけないという意識はある」。メイがこう弁明すると、八木沢投手コーチも「インコースを攻める以上、ヒジとかヒザ(に当てるの)は仕方ないと言えば仕方ない」とメイをかばった。

 確かに、この日のメイは制球難。5回の2点目は、高橋への押し出し四球で与えたもの。2回の先制点も、先頭の高橋に与えた四球がきっかけだった。

 球速は来日最高の146キロをマークしたが、コントロールを身上とするいつもの投球ではなかった。

 「こっちが悪いんだから、謝罪するのは当然。当てようと思って当てたわけじゃないけどね」。乱闘寸前の騒ぎの中、野村監督は心配そうに松井のそばに近寄った。結局、大騒動には至らなかった。しかし、初回にブロワーズが死球を受けていただけに、報復と取られてもおかしくない経緯がある。昨年、死球合戦の揚げ句、退場者まで出す大乱闘を演じた遺恨もある。それだけに、この日で沈静化するとは限らない。

<写真=5回、松井(中央)の死球を巡って両軍がホームベース上でにらみ合う>


B砲の3戦連発も…

読み完ペキ、全開へあと1歩

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 首位再接近へ大きな夢を乗せたはずの一撃だった。1点をリードされていた4回の攻撃。主砲ブロワーズが先頭打者として打席に入った。巨人のマウンドは3回まで阪神打線を1安打に抑えている先発三沢。その初球、132キロのスライダーを打った。打球は文句なしのライナーで関東の阪神ファンが待つ左翼スタンドへ一直線に飛び込んでいった。来日初の3試合連続となる5号ソロ。メジャーのパワーを存分に見せつける1発だ。

 「あそこは最初からスライダー狙いで打席に入ったんだよ。配球の読み、タイミングともにパーフェクトだったね。打った瞬間、入ったと思ったよ。でも勝てなかったな…。残念だよ。あれ以外の打席も何とかしたかったんだけどね…」。サヨナラ敗戦の後、ブロワーズは淡々と話した。

 その表情が示すようにまだ全開とはいかない。同点で迎えた8回の打席。この日、3度目の先頭打者として西山に相対したがカウント2―0から149キロの外角ストレートを見逃して3球三振に倒れた。打席の後方に立つ独特のスタンスの問題で課題になっている外角球にまたしてやられた。なんとか勝ち越しておきたい場面だっただけに痛い内容だった。

 だが徐々に調子が上向いているし、何よりブロワーズに代わる存在はいない。。初回に死球を受けたときも素知らぬ顔で一塁へ歩いた。これが野村監督が4番にすえ続けている理由であるメジャーの貫禄だ。「オレはいつもポジティブにやるようにしているんだよ」。そう話すブロワーズに野村阪神の浮沈がかかっている。

<写真=4回、ブロワーズがレフトへ5号ソロホーマーを放つ>


新庄ブレーキ4タコ

 5月度月間MVP獲得へ夢をつなげる新庄にとっては大事な2連戦の初戦だったが結果は出なかった。1死二塁の初回は空振り三振。2死二塁の3回は三ゴロ。そして同点の7回に和田の盗塁で作った2死二塁の勝ち越しチャンスでも空振り三振に倒れてしまった。結局、2三振を含む4打数無安打で打線のブレーキになってしまった。それでも「まあ、こんな日もありますよ」を落ち込んだ素振りは見せず、ドームを後にした。

矢野勝ち越し打も…

 好調な打撃内容を続ける矢野が一時は勝ち越しとなる適時打を放った。ブロワーズの本塁打で同点に追いついた4回。ジョンソンの四球と敵失で作った1死一、三塁のチャンスで打席に入った。何か仕掛けてくるのでは…と疑心暗鬼で攻めてくる巨人バッテリーを尻目にファウルで粘った9球目。129キロのスライダーにバットを合わせ三遊間を破った。「タマに食らいついていくことだけを考えた」と振り返ったが敗戦に表情は硬かった。

(24勝19敗)


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