第41戦(5月26日)

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B砲千金3号3ラン!再び0.5差

ノムさん音頭とり、20試合ぶり打った

 「働け! 働け! ブロワーズ」。野村監督が音頭を取り、ベンチで阪神ナインが大合唱した。その後押しが効いたのか、5月不発だった大砲に値千金の3号3ランが出た。これには「ホンマに打ちよった」と野村監督も大はしゃぎ。北陸決戦第2戦に快勝して再び0.5差。27日富山で2197日ぶりの単独首位の座を狙う。

5月26日・金沢
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神
中 日
【勝】竹内【敗】川上

「働け、働け、ブロワーズ」ナインの大合唱に燃えた

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 その場面、ベンチで野村監督が音頭を取りナインが合唱していた。「はったらけ、はったらけ、ブロワーズ」…。その気持ちが通じた。ブロワーズの一撃が高々と舞い上がった。1点リードの6回だ。主砲がギラリと光るひと振りを見せた。不調ながらここまで投げ続けてきた中日の先発・川上の初球、内角ストレートをたたく。打球は黄色いメガホンの阪神ファンで埋まった石川県営球場の左中間スタンドへ吸い込まれた。大きな3点を追加する貴重な3号3ラン。20試合ぶりの1発は阪神にとって計り知れない大きな1発だ。

スタメン
阪 神中 日
坪 井 李 
和 田福 留
新 庄関 川
ブロワーズゴメス
ジョンソン立 浪
桧 山山 崎
今 岡野 口
矢 野中 村
川 尻川 上

 「それまでの3打席、少し消極的だったのでここは積極的にいくつもりだったよ。いい感触だったね。ただボールが上がり過ぎたので届かないかと心配したけど入ってくれてホッとしたよ。メジャーでもこんなに長い期間、本塁打が出なかったことはなかったのでうれしいよ」。ひと仕事を終えたブロワーズは苦笑しながらそう話した。

 今季12球団最高の新助っ人と言われながらここまで元メジャー・リーガーの実力は発揮し切れていない。親族の不幸で途中帰国するというアクシデントもあった。「入ったと思う打球がスタンドに行かないんだ。いい当たりを打っても野手の正面をついてダブルプレーになってしまう。その気持ち、わかるかい?」。バットに松ヤニを塗り込みながらグチをこぼすこともあった。

 期待されながら結果を出せないフラストレーション。それでも「ポジティブに行くことが大事さ」と前向きな姿勢。前日から始まった直接対決までは6試合連続打点を稼ぐなど最低限の貢献はしていた。だが大事な試合で見事に爆発した。20試合前の1発は4月29日の中日戦(ナゴヤドーム)で9回に野口から放った決勝ソロ。頼れる助っ人であることに変わりはない。

 懸命に音頭を取っていた野村監督も素直に喜んだ。「あれは大きかったなあ。5回に関川のファインプレーでイヤな予感がしていた。流れが向こうに行きそうな気がしてただけにな。ベンチで音頭を取ったらホンマに打ちよったわ」。そう振り返った。

 試合前にはグチっていた。「きのうは久々に悔しくて眠れんかったわい。教育の必要性をしみじみ感じた。1番になるのはむずかしいわ」…。ヒットエンドランのサインで空振りした平塚や送りバントを失敗した坪井に対して情けなさを強調した。その上で「あんなんじゃ優勝なんて夢のまた夢」とさらにグチった。だがこういう勝ち方なら無力感を、くやしさを感じる必要はない。

 これで再び貯金「7」として、首位・中日にわずか1日で0.5ゲーム差と再接近した。「ゲーム差? 考えない」。監督はそう言うだけだが27日富山の対決で中日を下せば、93年5月22日以来の単独首位に阪神が立つことは事実だ。

<写真=やっと仕事をしてくれたなブロやん。6回ブロワーズは左翼へ中日の息の根を止める3ラン。さあ首位は目の前だ!>


和田、6度目猛打賞

“イヤなムード払う”決勝打

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 最年長和田が決めた。1―1の4回、2死二、三塁から、右前に落とす適時打。これが竜倒の決勝打となった。「自分らしいバッティングができたね。ランナーをかえすことができてよかったよ」。川尻の突然の降板によるイヤなムードも、ベテランの技ありの一打が吹き飛ばした。

 6回も、2死からしぶとく右前安打で出塁。ブロワーズの3ランを呼び込んだ。初回の左前安打とあわせ、この日は3安打。1日の広島戦以来となる今季6度目の猛打賞で、打率も3割4分8厘まで引き上げた。

 「今年は監督の野球をマスターしようと必死」。今年からベンチでの座る位置を変えた。常に、野村監督のすぐ前に陣取るようになった。野村監督のボヤキ、つぶやきを聞き逃さないためだ。

 さらに、どん欲に野村イズムを吸収しようとするベテランの姿は、若手・中堅にも刺激を与える。けっして大声を出して引っ張るタイプではないが、無言でチーム変革の先頭を切る。85年の優勝を知るのは、和田ただ1人。当時ルーキーだった37歳が、その経験を武器にして、これから待ち受ける修羅場に立ち向かう。

<写真=4回和田は右前に勝ち越しのタイムリー>


“虎投一丸”だ必死リレー

指揮官のタクトに踊る中継ぎ陣

 「えらいこっちゃ」。好調な立ち上がりだった先発川尻が、こともあろうに3回途中、肩の違和感を訴えアクシデント降板。しかも、首位攻防第2ラウンド。連敗は許されない。このお家の一大事に、虎投が燃えた。緊急登板の2番手・竹内から左ワンポイント田村。そしてロングリリーフ伊藤へ、最後はリベラ。見事、野村継投が決まって、中日打線を3回以降0封した。遠山&福原も温存。川尻は心配やけど、とにかく勝ってよかった。

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 3回、先発川尻に異常発生。だが野村監督はあわてず、騒がず。川尻が投げられないことを確認すると、ノッソリとベンチを出た。自慢の投手リレーが、金沢でも決まった。

 「見てなかったから、何が起こったか分からなかった」。ブルペンへの緊急連絡で竹内が無死一塁のピンチにマウンドに上がった。冷静に、鋭く一塁ランナー李の動きを肩越しにチラリ。鮮やかなけん制で刺して、ピンチを切り抜けた。4回無死一、二塁では山崎をまず三振、益田、川上をいずれもカウント2―3から凡打に抑えた。

 「ええゾ。ミスター・フルハウス!」。スクランブル発進を無難に終えた竹内に、チームメートからジョーク交じりのねぎらいの言葉が飛んだ。「野手のみなさんには悪いですけど…」。そう、フルカウントになってからの粘りが竹内の身上だ。

 5回1死二塁のピンチで関川を迎えると、野村監督は田村にスイッチ。こちらも2―3から関川を空振り三振に料理した。怖い右のゴメスは予定通り敬遠して、立浪を三ゴロ。ヨ〜シッ! マウンドで雄叫びを上げた。「自分に気合を入れないとね。体が動かないんだから」。エキサイトした自分の姿に試合後は、照れ笑いした。

 1992年(平3)の優勝争い。田村は絶対的なストッパーとしてフル回転した。翌年から左ひじ故障に泣いた。低迷が長かった左腕が、再び首位を狙う7年ぶりのチャンスに復活。「うん、勘が戻ってきたね。昔の感覚だよ」。5月21日に1軍復帰してから3回の登板でノーヒットだ。

 6回からは伊藤が力投。「1人ひとりに投げていっただけだよ」。ていねいに3イニングを無失点に切り抜け、リベラにバトンを渡した。竹内には今季初星がついた。継投のタクトに躍る虎投リレー。「今年は選手との信頼ができればええ」。野村監督の思惑通り。川尻リタイアのピンチに、中継ぎ陣が『自信と信頼』でガッチリつながった。

<写真=金沢の夜空に紙吹雪! 首位攻防戦の晴れ舞台で余裕のノムさんもいきやね〜>

 福間投手コーチ補佐(故障から復帰3試合目で好救援の田村について)「経験のある投手だからね。実戦勘も取り戻しているし、安心して見ていられた」

川尻、3回アクシデント降板

右肩に違和感…投球練習も「アカン」

 川尻哲郎投手(30)が26日、中日―阪神戦(金沢)で先発したが、3回途中で右肩に違和感を覚えたために降板するアクシデントが起きた。この日先発の川尻は1―1で迎えた3回、先頭の李に左前打を浴びた直後に右肩の異変を直訴。ベンチでトレーナーの診断を受けた後、もう一度マウンドへあがったが、続投不可能との判断で竹内と交代なった。

 「肩の周りで違和感があった。痛みもあって、引っかかるような感じだった。ベンチにかえって肩をグルグル回して行けるかなと思ったが、やっぱりアカンかった」

 先発で3連続KOとなった後、中継ぎに降格。この日は汚名返上もかけた11日ぶりの先発だった。2回に益田に同点アーチを浴びたものの、ボールの切れ、スピードとも復調の兆しを見せる内容。それだけに惜しまれる降板だった。

 27日にはチームを離れて大阪市内の病院で肩の検査を受ける。登録抹消となるのは確実で、先発の駒不足に悩む阪神にとっても大きな痛手。今後に影響を及ぼすアクシデントになった。

 猿木チーフトレーナー(川尻の右肩痛について)「右肩全体ということですね。1度ベンチに戻って、チェックしたら(右腕に)力が入ったので、本人が投げてみるとマウンドに行きましたが、やっぱり違和感があった」

いつでも行くぜリベラ

 守護神リベラが痛快竜倒劇のファイナルを飾った。9回から登板。2死後関川に安打1本を許したものの、最後はゴメスを一邪飛に仕留めた。4点リードでセーブはつかなかったが、「そんなことは問題じゃないよ。必要とされれば、いつでも投げるさ」と白い歯を見せた。前日は福原がサヨナラ負けを喫したが、虎投にはもう1人の強力ストッパーが控えている。

中日、4回満塁好機逃す

 〈中―神〉相手のミスにつけ込んだ阪神が快勝し、首位中日に再び0.5差と迫った。1―1の4回、阪神は敵失と暴投などで2死二、三塁とし、和田の右前適時打で勝ち越し。6回にはブロワーズの3号3ランで加点し、このリードを中継ぎ投手陣が守り切った。竹内は今季初勝利。中日は毎回走者を出しながら、4回の2死満塁の好機を逃すなど12残塁。守っても3失策と先発川上の足を引っ張った。

(24勝17敗)


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