第39戦(5月23日)

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桧山だ和田だ…中日に0.5差

連夜のG倒、逆転や

 時刻にして23日午後8時10分。甲子園の6回の逆転劇と、ナゴヤドームのヤクルトの勝ち越しが同時に進行しました。いやぁ痛快。ついに中日と「0.5差」です。野村阪神、炎の逆転で巨人には3カード連続で勝ち越し。6回、単打と好走塁で上原を攻略ですわ。これで貯金は最大の「7」。怖いぐらいの快進撃で、25日からは首位奪取をかけた中日との、直接対決北陸シリーズ。いよいよ、その時がやってきまっせ。

5月23日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人
阪 神
【勝】メイ【S】リベラ【敗】上原
【本】松井12号(2ラン=メイ)

5月12勝5敗早くも勝ち越し

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 笛吹けば、兵が躍る…野村監督が頭に描いた通りに策がはまる。痛快な上原攻略。そして巨人打線封じ。「フーっ、疲れた。これぞ強い者を倒す快感だね」。試合後の記者会見。連日の1点差勝利に、珍しく野村監督は報道陣の前で白い歯を見せた。

 ズバリ作戦が的中したのは、1点ビハインドの6回だった。そこまで上原に1点に抑えられてきた打撃陣に、集合がかかった。柏原打撃コーチを中心に円陣が組まれる。出された指示は「初球の変化球を狙え!」。先頭の新庄がものの見事に初球のカーブを左前へ。さらにブロワーズも初球の変化球を打ち返して三遊間を抜いた。相手守備がもたつく間に、新庄は二塁をけって、三塁へ。「あれはいい走塁だった」。野村監督も褒めちぎった新庄の好走塁で無死一、三塁。一瞬にして、逆転へのお膳立てが出来あがったのだ。

 こうなれば、流れはもう虎だ。1死後、動揺したルーキーにベテランが襲いかかる。「あそこは何とかしたかった。最後は自分の持ち味のセンターから右へ、と思ったんだ」。カウント2―2から4球ファウルで粘った後、和田が同点の右前打。5万3000人大観衆がどっと沸き、さらに上原を追い詰める。トドメは桧山がまたも初球を左前へ流して勝ち越し。「今はボールが見えているんです。目の前のこと、どう戦うかしか考えてない」。無欲のスイングが、一気逆転劇へとつながった。

スタメン
阪 神巨 人
坪 井佐々木
田 中清 水
新 庄松 井
ブロワーズ高 橋
ジョンソン石 井
和 田元 木
桧 山川 相
矢 野光 山
メ イ上 原

 実は試合前は全く反対の指示が出されていた。「向こう(巨人)は中継ぎを信頼してないから、できるだけ先発投手を引っ張る。球数を放らしてバテさせる狙い」(野村監督)があった。しかし5回までの上原の配球をチェック。「パターン化してたから」と、急きょ6回に「初球狙い」に変更。これが見事にはまったのだ。まさに野村IDの真骨頂。だから高笑いせずにいられない。

 さい配が冴えたのは、この指示だけではなかった。上原攻略の直前、長嶋監督を歯ぎしりさせる“裏”もかいた。6回1死一塁のピンチ。元木の打席で、カウント2―2からのエンドランを見破った。「長嶋さんが何かやりたそうだったからね。外したんや」。ウエストした球を元木は空振り。一塁走者の高橋が途中で気付いて引き返したため併殺にはならなかったが、この心理戦が逆転への“隠し味”でもあったのだ。

 「勝ち越すとは思っていなかったな。顔を見て進み、かたきを知って退けと言うが、プロ野球は退けないからな。やれやれ、ホっとしちゃいかんかな」

 G戦3カード連続の勝ち越しで、5月は勝ち越しも決定した。中日が敗れたため、首位とも0.5差と肉薄。25日の直接対決(福井)で首位奪取も見えてきた。「そんな色気を持つ球団ではありません。今年は勉強する年ですから」。どこまでも謙虚な姿勢は崩さない。しかしファンは期待する。松井のような一発はなくとも、粘りと好走塁がある。虎は確かに生まれ変わったのだ。6年ぶりの首位へ、この快進撃に疑念を抱く者は、もうだれもいない。

<写真=頂点が見えたぞ! 巨人に接戦の末、連勝を果たし歓喜の輪をつくるタイガースナイン。新庄の笑顔が光り輝いて見えますネ>

<データセンター> ▼阪神が23日の巨人戦に勝って5月度の月間勝ち越しを決めた。この勝利で5月の通算成績は12勝5敗となり、残る中日、巨人との5試合に全敗しても勝ち数が負け数を上回る。阪神の月間勝ち越しは、1996年(平8)7月の10勝9敗以来、3シーズンぶり(試合数の少ない10月を除く)。またこれで貯金を7としたがこれは92年10月4日以来、7シーズンぶり。25日の中日戦(福井)に勝てば、93年5月21日以来2195日ぶりの単独首位に立つ。

秀太、緊張の遊撃先発

 田中が2番遊撃でフル出場した。今岡が21日の初戦で自打球を足に当てたためチャンスが巡ってきた。スタメン遊撃は1年ぶり。それも5万3000人の大観衆で埋まった甲子園だけに「心臓がバクバクするほど緊張しました」。初回の第1打席では送りバントをきっちり決め、先制点につなげた。無難に守備機会をこなしていたが9回、併殺が狙える場面で走者の村田善と交錯。「手に当ててしまいました」と反省していた。


メイ、5Kの三振ショー

“遅咲き桜”遠山にウットリ

 5万3000人観衆が実感した。「ウイ ラブ 遠山」と。メイが5、6回を圧巻の5奪三振でしのげば、お後は巨人キラーの遠山。連日の気迫ピッチングで終盤、巨人の誇る左トリオ、清水、松井、高橋を封殺。ノムさんお得意の継投劇に、見事こたえた。メイは4勝、リベラは7セーブ。虎投陣が頑張って1点差勝ち7連勝を飾った。

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 日米左腕コンビが勝利を呼んだ。先発メイが6回2失点で4勝目。3番手遠山は1回1/3をパーフェクトに封じる連夜の好リリーフ。2人の左腕が、G倒の陰の立役者だ。

 「三振の数は気にしてないよ。でも、球を低めに集める自分のピッチングができたね」

 メイはふだんの青白い顔を、いくぶん上気させた。3回に松井の2ランで、一度は逆転を許した。しかし、その後は圧巻の三振ショー。5回、1番から始まる巨人打線を3者三振に切って取る。さらに6回、四球後、石井、元木を連続三振。連続5アウトをオール三振で奪った。この回でマウンドを降りたが、7奪三振で5安打2失点。巨人には、負けなしの2勝目だ。

 そして、遠山。「自信を持って投げないと。オドオドしてたら、ボールに表れるからね」。好救援に胸を張った。7回1死から登板。代打二岡、清水を打ち取ると、続く8回はMK斬り。前夜、1回1/3を抑え、勝ち投手になったのに続く、連日の大貢献だ。

 肌の色が違えば、考え方も違う。メイは合理的。「アメリカでは中4日で、球数を制限しながら投げていたから、日本では中5、6日だけど、今でも体がアメリカ流になじんでいる」。今年は首脳陣に、球数による登板制限を申請している。ある意味、ドライな思考だ。一方、遠山はバリバリの大和魂。前日の好投に対し、監督賞として金一封をもらった。「すぐに(監督に)お礼に行ったよ」。野村監督の配慮に感激し、疲れた体にいっそうムチ打った。

 だが、チームの勝利という目的に向かっては、日本も米国も関係ない。「リリーフ陣がイイから、信頼していたよ」。メイがこう言えば、遠山もニクい台詞。「自分の白星はどうでもいいよ。チームが勝てばいい。それが一番」。虎投陣がガッチリと一体になって首位奪取に向かう。

<写真=連日甲子園を沸かした遠山の炎の投球>


ブロワーズ、6戦連続打点

“メジャーの激走”決勝ホーム

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 お立ち台は和田と桧山に譲ったが、隠れヒーローは文句なくブロワーズだ。初回2死二塁。上原から痛烈な先制中前打を放つと、6回無死一塁では、逆転のきっかけを作る左前打。桧山の左前打で二塁から激走、勝ち越しのホームも踏んだ。連続試合打点を「6」に伸ばす堂々の働きぶりで、G倒を演出した。

 「形はどうあれ、走者を返そうという気持ちが、集中力につながってるね。僅差のゲームも続くし、自分自身でも盛り上がってるよ」。一時期、大スランプに落ち込み、ベンチ裏でバットを見つめて悩んでいたのがウソのよう。野村監督直々にステップ改良のアドバイスを受けて復調したB砲は、今や自信満々だ。

 確かに、打率は2割2分8厘と低い。だがここ一番の集中力はジス・イズ4番だ。1試合当たりの平均安打は1本でも、得点圏打率は3割1分4厘のハイアベレージ。「大事な時に打つのが、4番の仕事だと思ってるよ」。チームの明暗を分ける1安打が、オレの役割。それを有言実行出来る頼もしさが今のB砲には備わっている。

 「もちろんタイガースファンのお陰さ。オレもあの応援が大好きだ。もっと激しく応援してくれ」。いよいよ25日から北陸での首位攻防戦。熱烈虎ファンの叫びをバックに、4番が夢の首位を導く。

<写真=6回裏1死一、二塁。桧山の左前打でブロワーズ生還し逆転>


今岡、中日戦出場も微妙

 今岡が前日22日に続き、この日の巨人戦も欠場した。21日の同カードで自打球を当てた左足首関節部に腫れと痛みが残るため、無念のベンチウオーマーとなった。「やれるところからやって行く」と猿木チーフトレーナーが説明するよう、試合前の早出特打や打撃練習はこなしたが、激しい動きを伴う守備、走塁が出来ない。「こればかりは仕方ないです」と今岡は唇をかむが、北陸での首位攻防3連戦の出場も微妙な状況だ。

中継ぎ福原、いい仕事

 福原が、中継ぎでもいい仕事だ。前日に2セーブ目を記録したが、この日はセットアッパーとして奮闘。8回2死からバトンを受け、石井に左前打を許したが、前日右前打を打たれた元木をきっちり中飛に仕留めた。MAXは147キロ。「気持ちで負けないように、速い球でどんどん押していこうと思った」と、ポーカーフェイスで話していた。

ちょっと不機嫌リベラ

 9回1イニングを抑えて7セーブ目を挙げたリベラは、ブ然とした表情でナインとハイタッチした。前日は福原から継投されず、プライドをつぶされた格好。この日も代打仁志に左前に運ばれた。「調子がいいとか悪いとかは言わない。僕の仕事は、どんなに点差が離れていてもきっちり投げることだ。(25日からの)中日戦も大丈夫」と、不機嫌そうに話していた。

(23勝16敗)


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