第33戦(5月15日)

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エース炎上、4番ブレーキじゃあ…

B砲、3度の好機にK、K、併殺打

 得点の欲しい場面で打つのが「主砲」。先発したゲームは、勝ちが計算できるのが「エース」。ならば、この日の4番ブロワーズと、川尻は看板はく奪ですわ。ブロワーズは3度の得点機に三振、三振、併殺打で猛烈追い上げゲームに冷水。川尻は1回2/3、4失点KO。「エースがノックアウトで、4番がブレーキじゃ勝てんわ」と野村監督。この2人に快音が止まったジョンソンを加えれば、すなわち「虎の誤算家(ごさんけ)」。頼むよ、看板通りの活躍を。

5月15日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
中 日
阪 神
【勝】野口【S】宣【敗】川尻
【本】ゴメス6号(2ラン=竹内)桧山1号(ソロ=正津)
ゴメス7号(ソロ=伊藤)


川尻1回2/3を4失点

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 大きく膨らんだ期待は、一瞬にしてため息に変わった。0―6の絶望的状況から2点差まで追い上げた7回無死一、三塁。打席はブロワーズだ。この日、チャンスで2度三振している主砲に、5万3000人の大観衆は「今度こそ…」の祈りを捧げた。しかし結果は中日バッテリーの思うツボのショートゴロ。併殺の間に三塁走者の和田が生還したが、追い上げムードは一気にしぼんだ。

 先発川尻が2回ももたずに4失点で炎上。一方的な展開からトラ打線が粘って接戦に持ちこんだ。それだけに助っ人のブレーキに、失望感が漂った。

 「実力的にあんなもんか。評価はまだ下せないが…。期限? 1年やろな。経験とチーム事情から期待しないとしょうがない」。

 試合後の野村監督も、助っ人のブレーキに頭を抱えた。メジャー通算10年で76発。しかし額面通りの活躍には程遠い内容が続いている。21試合で2割8厘、2本塁打、10打点。最近4試合に限れば、13打数1安打で7分7厘。51打席ノーアーチだ。

スタメン
阪 神中 日
坪 井 李 
和 田久 慈
新 庄関 川
ブロワーズゴメス
ジョンソン井 上
今 岡山 崎
平 塚福 留
矢 野中 村
川 尻野 口

 「ヤマがみんな外れている。技術の問題以前。(中日)中村(捕手)のエジキにされているよ。メジャーリーガーなら、左投手に対してヤマを張らずに、真っ直ぐに備えていて変化球に対応して欲しい。相手がランディー・ジョンソン(ダイヤモンドバックス)なら分かるけど、そのレベルでやってきたわけでしょ」。

 痛烈な指揮官の批判は、期待の裏返しだ。2.5差で迎えた竜虎決戦第2ラウンド、“恐竜”のシッポをつかみかけた大事なカードだけに主砲の不振が際立った。

 A級戦犯にされたブロワーズも責任の重さを痛感していた。「今は多くのことを試してるんだ。考えすぎてるのかもしれない。2打席外角を攻められ、残り2打席は内角。何もできなかったというのが正直なところ。配球とか読みの次元の問題じゃない。打席に立っていても、落ち着かないし、しっくりこないんだ」。

 打席ごとに微妙にスタンスを変えて苦悶する主砲。が、そのブロワーズの復活なしに、トラの首位奪取はありえない。「満員のお客さんに面目だけは保てたな。勝たなどうしようもないけど。エースがノックアウトで、4番がブレーキじゃ勝てんわ」。そう言う野村監督こそが、自身を見返すような猛打を期待し、そして今はじっと我慢する。

<写真=「次はだれを出したらええんやろ」総力戦に持ちゴマを使い果たし、ベンチ前で思案に暮れる野村監督>

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ジョンソン14打席音なし

 ブロワーズ不振の悪影響か、ジョンソンもパタリと当たりが止まった。5回の中直のように、いい当たりもあったが、4打数無安打2三振。これで4試合14打数ノーヒットとなった。ブロワーズがスランプのため、確実にジョンソンへの負担が大きくなっている。それだけに、野村監督も「(ジョンソンも)ちょっと下り坂にきてるかな」と憂うつな表情を浮かべた。

<写真=頼みのジョンソンとブロワーズ(右)は、中日投手陣の前にノーヒットと元気がなかった>


ノムさんお手上げ…川尻初黒星

「恐怖感出てるんじゃないか」

 エース川尻に立ち直る兆しがみえない。初回、3安打を集められて、いきなり3失点。2回関川に適時二塁打を浴びたところで、野村監督からタオルが投げられた。1回2/35安打4失点KO。とうとう今季初黒星を喫した。

 「(調子は)悪くはないと思ったんだけど…。考えすぎかなあ」。前回の登板(8日横浜戦)でも、大量11点の援護をもらいながら、6回途中8失点KO。2試合連続の大乱調で、防御率も5点台(5.68)まで落ち込んだ。昨年リーグ5位の防御率2.84を残した安定感の男が、最近は信じられない打ち込まれぶりだ。

 「全部悪い。スピードもコントロールも。自分に自信がないから、恐怖感が出てるんじゃないか」。野村監督も技術・精神両面に及ぶ“スランプ”にお手上げ。川尻がこの状態では、首位追撃はおぼつかない。

 福間投手コーチ補佐(2回途中KOの川尻について胸を指で差し)「ここの問題でしょう」

福原、ガックリ2失点

 ダメ押しの2点を献上した福原は、何度も首をひねるばかりだった。「準備は出来てたんですが…」。6番手として登板した8回2死満塁のピンチは、ゴメスを二飛に打ち取ってしのいだ。だが1点を追う9回2死一、二塁は代打渡辺に左越え適時打を浴び、決定的な2点を与えてしまった。

竹内、ホロ苦初登板

 中込に代わって1軍に昇格していた竹内が今季初登板した。川尻がKOされた2回途中から2番手でマウンドへ。コーナーをつく丁寧なピッチングだったが5回に、ゴメスに手痛い2ランを浴びた。「あの1球が…。失投でした。投球自体はボチボチだったんですが…」。ストレートが甘く入ったところを痛打されただけに、不用意な1球を悔やんでいた。

 松井ヘッドコーチ「きょうに限ってはゴメスとブロワーズの差が出たなあ…」


新庄、4度目猛打賞

早くも昨年超えた!

 ブロワーズさえ打っていれば、この男の活躍に、もっとスポットライトが当たっただろう。3番新庄が3安打1打点。今季4回目の猛打賞は、早くも昨年(3回)を超える絶好調ぶりだ。

 「前の打席でスライダーを押っ付けにいって失敗した(二飛)ので、今度は、スライダーが来たら、三遊間に強い打球を打ってやろうと思っていた」。独特の感性だが、思い通りにやってのけるのも、新庄ならでは。5回1死一、三塁での打席。野口のスライダーに少し泳ぎながらも、左前へ運んだ。3点差に詰め寄るタイムリー。3番に復帰後4試合目での初打点は、敗色濃厚の試合をヒートアップさせる一打だった。

 初回には左中間フェンス直撃の二塁打。7回には、バットの先に当たった打球が一、二塁間を抜ける幸運な安打。5月に入って、47打席、いまだに三振ゼロで、その事実が、好調ぶりを物語る。「三振? しないなら、しないでイイでしょ。でも、やっぱり勝たないとね」。直後のブロワーズ、ジョンソンがブレーキで、勝利には結び付かなかった。だが、BJ砲が復調すれば、好調新庄が3番に座るだけに恐ろしいクリーンアップが完成するのだが…。

桧山、代打で今季初弾

34打席目ドンピシャ

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 桧山が今季初アーチをかけた。3点を追う6回1死から代打で登場。正津の真ん中直球を見逃さず、快音もろとも右翼席へ放り込んだ。「代打なんで、初球から叩こうと思ってました。タイミングはドンピシャ。いい感じで打てました」。今季10試合34打席目での快音に、直後のベンチでは満面笑顔。右脇腹痛など故障で1カ月も出遅れたが、自ら完全復活を告げる号砲となった。

 だが1点差に迫った続く8回無死一塁の打席では、送りバント空振りなど、最後は右飛に倒れて走者を進めることが出来ず。「初めからバントのサインだったんですが…。でも失敗はいけません」と試合後は一転反省しきり。勝敗の分岐点ともなった場面だけに、悔しげにくちびるをかんでいた。

<写真=6回裏1死。代打桧山はライトスタンドへ今季1号アーチをかける>


(18勝15敗)


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