第31戦(5月12日)

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奇襲ブチ壊しの中込、即2軍

6回までシナリオ通りが…

 野村監督が、お得意の投手リレーをぶち壊した中込に2軍降格を通告した。野村克也監督(63)は、ドラフト4位の部坂俊之投手(24)を奇襲先発。3回1失点でスパッと継投に持ち込んだ。6回の大ピンチ。華麗なベンチワークで若松監督を圧倒したはずが、4番手の中込が押し出し四球にタイムリー…。ノムさんのシナリオは台無しで、0―7の大敗。連敗の中日と3差は変わらず。14日から首位攻防だだ。

5月12日・甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤクルト
阪 神
【勝】高木【敗】部坂
【本】ペタジーニ11号(2ラン=中ノ瀬)


連続四球で押し出し…連打

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 野村監督のあいた口がふさがらない。ボール、ボール、ボール…。マウンドには、ストライクが入らずに背中を丸くする中込がいた。6回2死一、二塁。遠山をリリーフした中込が、緊迫したゲームをぶち壊した。代打佐藤にストレートの四球で満塁。さらに宮本にもカウント1―3から押し出し四球。

 見ちゃおれん。ベンチで野村監督が思わず下を向いた。続く投手の高木に内野安打を浴び、さらに真中に2点適時打。緊張の糸は切れてしまった。

 「中込か中ノ瀬か、あの場面は経験で中込と思ったんだが…。中ノ瀬が打たれると、オレが悔いが残るからね。2軍から上がってきたばかりで、力量もまだ分からないしね」

スタメン
阪 神ヤクルト
坪 井真 中
和 田土 橋
新 庄古 田
ブロワーズペタジーニ
ジョンソンスミス
川 尻高橋智
矢 野田 畑
今 岡宮 本
部 坂高 木

 絶妙な野村さい配でヤクルト打線を1点に封じていた。先発には、今季初めて新人部坂を起用。試合前まで中継ぎ陣のグループで練習させ、井川か吉田豊の左腕どちらかの先発を匂わす手の込みようだった。読みきれなかったヤクルトは、7番に当て馬の田畑で登録。まんまと相手ベンチをだました後は、調子の悪い部坂をスッパリ4回から伊藤にチェンジ。先発の谷間を、見事なさい配でしのいでいた。

 圧巻は伊藤が捕まった6回1死一、二塁のピンチ。ここで若松監督が代打小早川を送ると、すかさず野村監督は遠山をコール。するとヤクルトは代打の代打に青柳で対抗だ。ベンチワークでの師弟対決に、スタンドが沸いた。これを遠山が見事に捕飛に料理。直後、代打佐藤にぶつけた中込が、大失敗に終わったのだ。

 「左ピッチャーがいないからね。伊藤がペタジーニを抑えてくれないか、神に祈ってたんだけどね。通じなかった。何なら歩かせても良かったんだ。あそこだけ超えてくれればと思っていたんだが…。部坂? だいぶん前から決めていたよ。井川か部坂か。ヤクルトは左が2人しかおらんからね」

 駒不足は百も承知。だからこそポイントは、伊藤対ペタジーニと踏んでいた。悪夢はすでに予感していたのだ。プロ11年目でわずか10試合目のリリーフに失敗した中込には、試合後に2軍降格を通告。「見てのとおりです」とうなだれた中込に、即座に再調整を命じた。

 「参りました」で始まった試合後の会見は、珍しく約20分間も続き、最後は「すっきりしない完封だな」のボヤキで終わった。3連勝、貯金4の勢いは一気に後退。しかし首位中日も敗れ、その差「3」は不変だ。13日は気分転換して、週末の首位決戦へ。こんな1敗では、虎はびくともしない。

<写真=6回、満塁のピンチに押し出しで2点目を献上し、ゲームをぶち壊した中込は即2軍行き。右は三塁走者のペタジーニ>


初先発・部坂3回で降板

 プロ初先発した部坂が、わずか3回で降板した。打者14人に40球を投げ、5安打1失点の成績。初回に3安打1死球で失った1点が悔やまれた。「まだまだですね。もっと緩急をつけて投げたかった」と、不完全燃焼のマウンドを振り返った。中込、吉田豊らの先発も考えられた中での登板だったが、登板は9日の横浜戦の試合後に告げられていた。八木沢投手コーチは「ローテーションの谷間ではあった。5回くらいを予定していたが、とくに左に対して不安定だった」と、話した。


BJ砲大ブレーキ

初の2試合連続無安打

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 今季4度目の完封負け。最後までスタンドに残った熱烈虎党の声援も、むなしく響くばかり。最終回、先頭の和田が出塁したが、クリーンアップ3人が倒れてゲームセット。野村監督の怒りのホコ先は、眠れる主砲に向けられた。

 「完封されるようなピッチャーかね。4番バッターが寂しい。4番に打ってもらえないと、ジョンソン1人じゃ勝てないよ」

 クリーンアップが計12打数無安打。中でも深刻なのが、ブロワーズだ。初回、甘く入ったフォークを空振り三振し、結局4打数2三振。守っても、前夜に続く一塁への悪送球。攻守ともに精彩を欠いた。

 「高木がよく投げ、我々が打てなかったということ。次の試合は何とかしたい」。気持ちを切り替えるように努めたブロワーズだが、上昇気配が見えない。4月25日時点で3割1分8厘だった打率も、2割1分4厘まで急降下だ。

 野村監督がまず指摘したのは、練習量の問題だ。「上体だけのスイングや。足が弱ってるの違うか。ゲーム前も走らんし、ますます弱るで」。ホームゲームの試合前、日本人選手の約半分の1時間程度しか練習しない。これが、指揮官の疑問の1つ。さらに、頭脳面でも首をヒネる。「インコースのストライクを見逃して、あっち(外角)が届かない」。打席の位置がホームベースから離れたまま。野村監督も対応力の欠如と見なさざるをえない。

 ジョンソンも4タコで、2試合連続のBJ砲ノーヒットは初めて。兄貴分と慕うブロワーズの不振が伝染したのか、ジョンソンもここ3試合で1安打と当たりが止まった。両主砲の復調なくして、チームの好調の持続はないのだが…。

<写真=“やばいぜ相棒、完封だよ…”打席に向かう前、なんとか打開策をと相談するB・J砲も不発に終わる>

奮闘…代打陣3安打

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 ヤクルト先発高木に5安打と抑えられた打線の中で、気を吐いたのが代打陣だった。9番の投手の打順で3度、代打を送った野村阪神。3回にはチーム初安打を桧山がショートオーバー。6回には佐々木が左対左を苦にせずライト線へ二塁打。

 8回には八木がライトへ二塁打を放った。佐々木は「負けたからねえ」と笑顔なし。ただ自分の打撃には「調子が上がってきている。次も頑張る」と手ごたえをつかんでいた。

<写真=6回2死満塁、打者高木の遊ゴロを今岡(右)は、和田(中央)にトスするが、一塁走者宮本(左)の足が速くタイムリー内野安打となり3点目を献上する>

今岡痛恨“選択ミス”

 6回の守備でタメ息が出たのが、打者高木のショート内野安打での1失点。2死満塁のピンチに、高木の当たりは大きく跳ねてショートへ。今岡は二塁封殺を狙ったが、間一髪セーフとなった。平田コーチは「(一塁走者の)宮本の足が(今岡の)頭に入ってなかった。ファーストに投げるのが…」と悔やんでいた。結局、この直後、真中の2点タイムリーが出て勝敗が決定的になっただけに、悔やまれる選択だった。

(17勝14敗)


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