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必勝“神話”が崩れた?J砲3ランもアダ花
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好機に大豊、坪井が併殺
「こんなに勝ち目の薄い試合もめずらしい。人事は尽くしたと思う」。そう言った野村監督が「でも天命は厳しかった」と続けた。4万観衆が勝利を信じて疑わなかった試合は、野村阪神にあった必勝神話を崩して、悔しい敗戦となった。 最大のタメ息は1点を追う8回裏の攻撃だった。この回からリリーフに立った小林幹を攻め立てチャンスを広げた。先頭の和田がこの日3本目の中前打で出塁すると3番桧山はこの日2つ目の犠打で送る。期待のブロワーズ、ジョンソンはともに四球を選んで1死満塁。軽々と同点、逆転できそうな場面だった。
そして、今岡に代えて代打の切り札・大豊だ。4月29日の中日戦では代打同点弾。前日の30日には、ダメ押しの満塁一掃打と、終盤の切り札的存在だった。ここは、イッキに、とファンは期待した。が、広島の大豊シフトに引っ掛かってしまう。カウント2―2から打った球は二塁ベース上に転がった。普通ならセンター前に抜ける打球。しかしベース寄りに守っていた遊撃・野村が楽に処理し、ベースを踏んで一塁に転送する最悪のゲッツーで、大豊の「代打神話」は崩れた。 「あそこは大豊やろ。(不調の)今岡は打てる気がしなかった。勝負をかけるところだったしな。失敗に終われば何を言われても仕方がないが…」。と野村監督。無言の大豊に代わって「勝ち目の薄さ」を嘆いた監督の言葉が虚ろに響いた。 <写真=“あ〜あ終わっちゃった”9回裏(阪神)1死一、二塁と同点のチャンスに期待の坪井は二塁ゴロ併殺に倒れる。一塁手は浅井> J砲、初の空砲外国人の一発は勝利の号砲だった誰もが「これで勝てる」と信じた。4回、ジョンソンの5号3ラン。同点アーチだったが、来日以来、過去の4本すべてのホームランはチームに活気と勝利を呼んできた。しかも、ここまで22試合、ジョンソンが打点を挙げて負けたことはなかった。だが…。 山内のスライダーを完ぺきに捕らえた。逆風をもろともしない弾丸ライナーは、右中間スタンドに飛び込んだ。「強風で戻されるかと思ったけど入ったよ。それはよかったんだけど、やはり勝ちたかったね。打って初めて負けたって? 野球は自分だけでやってるんじゃないからね」。そう話したジョンソン。しかし、「J砲神話」の崩壊はファンにはショックだ。 「お客さんに喜んでもらえた(ゲーム)とは思うけど、勝てばもっと喜んでもらえたわな」。貯金への挑戦に敗れ、借金生活に逆戻りした指揮官の顔色はさえなかった。 坪井、プロ初併殺連続試合安打もストップ坪井の神話も崩れた。11試合連続安打へ、最後のチャンスが9回1死に回ってきた。前日のラッキーボーイ新庄がこの日初めての安打で出塁、平塚が代打で意地の中前打で、あっという間に1死一、二塁。同点、逆転サヨナラのチャンスでもあった。 だが、ここまで4打席凡退に終わっている坪井が二塁正面のゴロで4―6―3の併殺に倒れ、一瞬でゲームセットだ。前日まで連続安打を続けていた坪井にしてみれば信じられない5タコ。しかし、何よりこの併殺がプロ入り初の併殺打なのだから不運も極まる。坪井には、通算146試合目にしての「神話」崩壊だった。 例によって仏頂面で無言の坪井をかばったのは柏原打撃コーチ。「併殺よりも序盤で山内の変化球を捕らえられなかったのが敗因や」と振り返った。 福原に初黒星金本に痛恨の1球まるで連鎖反応を起こしたかのように「福原神話」も崩れた。4―4の8回からプロ初連投のマウンドに登ったルーキーだが、いきなり連続二塁打を浴びて1失点。これが決勝点となり、プロ10試合目にしてついに初黒星を喫した。 「ショックと言えばショックですね。でもいつかは(黒星が)つくと思ってましたから…」。福原は唇をかんだ。「連投だが、あそこは彼しかいない」と八木沢投手コーチが信頼を託した矢先、決勝打を浴びたのは奇しくも広島広陵高の先輩金本。最速146キロを計時したが、「甘い所に入って…。コントロールミスです」と痛恨の1球となった。 開幕巨人戦で高橋に満塁弾を浴びて以降は、速球を武器に好投の連続。前夜も同点の8回から登板し、2イニングを抑えて2勝目をゲットしたラッキーボーイだった。だが前夜の美酒は一夜明けて、何ともホロ苦い味に…。セットアッパーとして、23試合で10登板フル回転。「でも連投の疲れなんかないですよ」。最後は語気を強めてつぶやき、悔しさを圧し殺していた。 和田5度目の猛打賞和田が今季5度目の猛打賞で、ひとり気を吐いた形になった。広島山内から4、6回にいずれも中前打を放ち、生還。8回には小林幹から、またも中前打を放った。「結果的に(タイミング)が合ったんだと思う」と控えめなコメントながら、表情は満足気。これで打率は3割7分7厘。4月を打率7位で通過したが、5月に入っても好調を維持している。 田中三盗にマンモスどよめき黒星もTOP野球は健在
甲子園が最もどよめいたのはTOP野球がズバリ決まった場面だった。 1点ビハインドの8回1死二塁。代走田中が、ブロワーズの3球目に三盗にアタック。打者に集中している広島バッテリーから見事に奪ってみせた。「単独です。足でアピールすることができました」と田中。スキあらば盗め―選手個々が自身の判断で、しかも大事な場面で野村野球を実践してみせた。 また3番桧山は6回、8回の無死一塁の場面できっちり送りバントを成功。「自分でもサインが出ると思っていた。調子の悪い時は、きっちりつなぐことが大事ですからね」。1試合で2度の犠牲バントは、アマ時代も含めて初体験。ベンチと選手の意思統一ができているから、成功率も高まるのだ。 「(三盗は)行ければ、行けというそれだけじゃない。3つ、4つの要素がピタッとはまってこそ、いけるんや。それは企業秘密やけどな」。野村監督としても、成功の“確信”がある盗塁だっただけにしてやったりだった。ただ得点に結びつかなかったのだけが残念だが…。 たかが1敗。同じ負けでも、未来への展望が開けるだけで虎ファンは希望が持てる。「貯金? おれは貧乏性だから、できないな」。5月反攻は黒星スタートとなったが、TOP野球恐るべしは十分に印象づけた。 <写真=6回裏(阪神)1死二塁、ブロワーズの遊ゴロを野村がそらす間に、二塁走者・和田が生還して再び同点とする。捕手は瀬戸>
川尻、金本に痛打先発川尻が6安打4失点で6回途中で降板した。左の金本にやられた。1本目は2回表。四球の走者をボークで二進させた後、あっさり適時中前打を浴びる。4回も、1死一塁から再び金本にジャストミート。6回1死一、二塁で金本を迎え、無念の降板となった。八木沢投手コーチは「左に対して、インサイドのつっこみが足りなかった」と、攻め方の甘さを指摘した。この試合まで4回先発して3勝0敗と、抜群の安定感を保ってきたはずだった。川尻は「きょうは話すことがないので、勘弁してください」と、苦笑いだった。 (11勝12敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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