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B砲が竜倒V弾…虎3位だ9回“ここで一発”の願い届いた
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ノムさん「セ・リーグのためにも、大きい勝ちや」
左翼李は2、3歩動いただけだった。驚弾を吸い込んだスタンドは、蜂の巣をつついたようなお祭り騒ぎ。そのどよめきと歓声に包まれる中、ブロワーズは何事もなかったかのようにベースを一周した。頼もし過ぎる。たくましすぎる。同点で迎えた9回1死。落合の内角140キロの速球を捕らえ、虎を連敗地獄の窮地から救ったのは、4番の一振りだった。 「完ぺきだね。打った瞬間入ると思ったよ。一番大事な場面で打ててよかった。中日にホーム初黒星をつけたというより、チームが勝てたことがうれしいね」。ナゴヤドームのお立ち台。背番号61は帽子を取って大きく掲げ、胸を張った。2号ソロが星野竜から今季初勝利を呼び、チームはついに今季初のAクラスに浮上。今季2度目のV打点は改めて、B砲のスゴさを強烈に際立たせた。 それまで3の0。だがここ一番で打つのがジスイズメジャーだ。「勝負強い仕事をするのが自分の働きだと思ってるよ」。得点圏打率5割が示す勝負強さを、存分に発揮。中日の独走にストップをかけた一撃に、野村監督もこの日ばかりは笑いが止まらなかった。 「きょうの勝ちは大きいよ。セ・リーグのため、そして阪神のためにもね。よう土壇場で踏ん張ってくれた。ホームランの予感は全然なかったんだけどね。ちょっと中村さん、配球に酔い過ぎたんじゃない」。前日敗戦後にかじった同じレーズンパンの味は、この日は格別だったハズだ。復帰した桧山が打ち、代打大豊が同点アーチをかけ、そして4番がとどめの一撃。負けムードの試合をこれ以上ない勝ち方で逆転したのだから、なおさらだ。
「3日間も会えないとやっぱり寂しいね」。B砲は試合後、ジョンソンとともに最終の新幹線に飛び乗り、愛する家族が待つ神戸へ向かった。4月下旬の来日当初は「子どもたちが時差ボケで、夜中の3時にシャボン玉をやって走り回ってるだぜ」とボヤいていたが、もちろんご愛嬌。来日前のオープン戦中などは「月に電話代が10万円もかかった」ほどの家庭第一パパには、家族が何よりのエネルギー源だ。 B砲の活躍で連敗を止め、いよいよ30日から本拠地甲子園で広島、巨人を迎え撃つ。チームは9連戦のまっただ中と、苦しい状況に変わりはない。「でもまたいい仕事が出来るよう、頑張るよ」。最後も頼もしいセリフで締めくくったB砲。その背番号61に、絶大な信頼感が漂う。 <写真=連敗脱出やで! 頼りになりまっせブロワーズ。9回土壇場に勝利を決めるソロホーマーを放ち、坪井(中)高波(右)らナインに祝福される> 桧山が追撃打!大豊代打2号ノムさん、サイ配的中に高笑い
流れ呼んだ桧山「元4番」の意地
意地とプライドをかけたタイムリーと同点弾。桧山、大豊の元4番コンビが3連敗の危機を救った。 逆転劇の口火を切ったのは、一昨年の4番だ。「出遅れた分、1試合でも多くチームに貢献したいから」。2軍暮らしで日焼けした桧山の顔に、真っ白な歯が光った。復帰したばかりで、即3番に起用され、0―2の6回2死二塁で、武田の外角直球を中前へ。1点差に詰め寄り、一気に試合の流れを引き込んだ。 2月のキャンプ中に右わき腹を痛め、3月には右ヒジ痛。「一流になれるかの分岐点。今年に野球生命を賭ける」とまで意気込んだシーズンだったが、屈辱の開幕2軍スタートとなった。だが、その存在が忘れられていく中、フォーム改造に挑んだ。構えた時のスタンスを広げた。「下半身を安定させるため」。結果的には、2軍生活だった分、じっくりと新フォームを固め、来るべきこの日に備えた。 『一昨年の4番』桧山が打てば、『昨年の4番』も燃える。大豊が意地の代打本塁打で、試合を振り出しに戻した。8回、代わったばかりの岩瀬の初球を叩くと、打球はバックスクリーンに一直線。かつての地元名古屋のファンもド肝を抜かれる弾丸ライナーの今季2号をブチ込んだ。 「1、2、3(のタイミング)だ。それしか覚えてないよ」。 ジョンソンの加入で代打要員に甘んじる。「気持ち? 想像してくれ」。11日の中日戦でも代打同点2ラン。代打成功率は8打数4安打の5割を誇る。かつての2冠王のプライドが、驚異的な集中力を生んでいる。 「桧山は、いきなり3番はどうかなと思ったけどね。ホッホッホ。大豊はストライクさえ打ちゃ、打てるんだよ。ホッホッホ」。 野村監督は2度3度と高笑い。1軍復帰初戦の桧山を3番に抜てき。好投藪に代えて送った代打大豊。用兵がズバリ的中して、笑いが止まらない。野村再生工場は、死にかけた選手のヤル気をくすぐるところから生まれる。 <写真=お待たせしました! この日から1軍復帰の桧山は、6回にはブランクを帳消しにする中前タイムリーを放つ>
リベラ初セーブや21試合目…“4・11騒動”のリベンジ
自分の成績よりも何よりも、守護神リベラはチームの勝ちに興奮していた。「連敗を止めたんだ」と珍しくガッツポーズ。チーム21試合目、自身7試合目の登板でついた今季初セーブは連敗を2で止める投球だった。 9回表、ブロワーズのソロで、1点を勝ち越した。中日に先手を取られ、苦しみながら追いつき、ようやく奪った勝ち越し点を守るマウンドは守護神に託すしかなかった。「チームがゲームの終盤にいい感じで点を取ってくれたんで、そのムードを壊したくなかったんだ」とリベラも言う。先頭の山崎にはボール先行からフルカウントまで粘られたが、二ゴロに。開幕から21試合連続安打を続けてきた井上も、遊ゴロに打ち取った。3者凡退で初セーブを勝ち取った。 11日、甲子園での中日戦。延長10回に井上に勝ち越し打を打たれた。ブルペンでの準備不足が不満だったリベラは感情の抑えがきかず、ベンチで野村監督に暴言をはいて厳重注意を受けた。野村阪神全体のムードも壊しかねなかった事件も、両者の話し合いで決着はついた。この日の野村監督のリベラ評も「まだ安心はできんな」と辛口だったが、初セーブの記録で舌禍事件に一つの区切りをつけた。 <写真=最後はリベラがきっちりと締めて連敗を脱出、力投した先発の藪とがっちり握手だ> “負けられない”藪粘投伊藤「2勝目」7回2失点と好投した藪だが、中盤まで冷や汗をかいた。ゴメスに一発を浴びて先手を取られた。4回、先頭関川を四球で歩かせ、ゴメスに中堅バックスクリーンに2ラン。 「セキ(関川)には昨年よく打たれていたし、ゴメスは初回の第1打席でぶつけていたので投げにくかった」。藪が悔しがった。野村監督も「1球に泣くところだったな」と命取りになりかねない失投だった。 藪に代わる大豊の代打アーチで追いつき、終盤は遠山―伊藤のリレーでしのいだ。8回1死一塁で救援した伊藤は、ゴメス、立浪にファウルで粘られながらも中軸を封じ、今季2勝目。伊藤の力投が、藪の「1球」も帳消しにした。 藪の防御率2・39はリーグ4位。それでも4月は1勝止まり。「井上に開幕連続安打の記録がかかっていたでしょう。うちの和田さんが持っている記録だから、何とかそれも止めたかったし…。とにかく連敗が止まってよかった」。勝ち星はつかなかったが、2失点で粘った藪は、エースの働きだった。 伊藤(8回1死一塁をしのいで今季2勝目)「オレが勝ち投手なんですか? チームの連敗が止まったのが何よりですよ」 和田、アシスト打桧山の復帰タイムリーを演出したのは、ベテラン和田だった。6回2死から右翼線へポトリと落ちる二塁打で出塁。桧山の中前打でホームを踏んで、終盤の逆転劇につなげた。「3連敗だけは避けたかったからね」。中日に一矢を報いて、ホッとした表情だった。 (10勝11敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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