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こんな日もある…阪神“急停車”ノムさん「口は災いの元」
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竜に火つけた!?「中日包囲網」発言
虎の下克上は、あまりにも無残な返り討ちだった。美濃の油売りから、一国一城の主まで登りつめた斎藤道三ゆかりの岐阜。左翼後方にそのシンボル金華山を臨む長良川球場で挑んだ首位中日への下克上は、大失敗。先発メイ以下投手陣の大乱調で、今季ワーストの22安打13失点。虎祭りどころか逆に血祭りに叩きのめされ、6年ぶり7連勝の夢も露と消えた。 白旗の敗将野村克也は、チッと舌打ちし、悔しさを現した。「すみませんねえ。ぶざまな試合をして…。参りました。メイも悪くはなかったが、狙い球をビシビシや。投手の山本にも2本ヒットを許すんやからな。あれに代表されるわ。処置なしや」。それまで好投のメイが5回、突如乱れて5失点KO。2番手葛西、山崎も炎上し、毎回の先発全員安打を許すサンドバック状態。得点も矢野、坪井の2ランのみでは、指揮官はなすすべなく、虎戦士の討ち死にを見届けるしかなかった。
だが、口は災いの元だったのかも知れない。決戦を24時間後に控えた前日、調子に乗り過ぎた? 野村監督は「ファンが求めているのはダンゴ状態。束になって中日下ろしをしないと」と宣戦布告。これを聞いた星野監督は、ニンマリほほ笑み返した。「ホーウ。ノムさんにそんなことを言ってもらって光栄だねえ」。顔は笑っているが、気分がいいハズはない。燃える男は返り討ちを決意。その答えを、22安打13得点に凝縮したのだった。 「3連戦の頭は取りたいんだけど、うまくいかんなあ」。星野監督が笑う中日バスの横を通る時、野村監督はダミ声を大にしてつぶやいた。まさかこの発言がすべてではないだろうが、余りに後味の悪い大惨敗ぶりだ。中日の背中が遠のき、またしても貯金に失敗。28日から乗り込む尾張名古屋で、屈辱は晴らすしかない。 <写真=矢野(右)をベンチに下げ、厳しい表情でアドバイスする野村監督> 遅かった坪井の1号山本昌KOも…
振り子打法がすくい上げた打球は、あれよあれよと外野フェンスを越えた。右翼席最前列にポトリと落ちる坪井の今季第1号。山本昌から放ったプロ3号は、左投手から放った初本塁打だった。 「…」。何を聞かれても、ソッポを向いたまま。大敗で自身の一発も焼石に水。坪井はいつも以上にムッツリとバスに乗り込んだ。 2―9と大量リードを許す8回。先頭の浜中が安打で出塁した直後の初球を狙った。低めの直球。バットに乗せた打球は、フラフラと上がり、そのままスタンドイン。坪井は喜ぶ素振りも見せずに、淡々とベースを一周した。しかし、この2ランで山本昌をKO。完投負けを阻止した。 プロ入り当初から、分をわきまえていた。「プロでは3番(という長打を求められる打順)はないですよ。とにかく安打を打って、出塁すること。そういうタイプですから」。アマ時代は3番を打つこともあった。社会人では金属バットを使用したため、長打も珍しくはなかった。だが、プロの世界に飛び込む時には、一発の魅力とは絶縁した。「ホームランに関しては、思い残すことがなくなりました」。こう話したのは、昨年7月31日。巨人ガルベスからサク越えの一発を放ち、単打へのこだわりをさらに追求するようになった。 この日も第1打席に左前安打を放った。これで7試合連続安打。打率も6厘アップの3割2分とし、昨年の3割2分7厘まで迫った。2年連続のハイ・アベレージ。本塁打は安打の延長にすぎない。坪井はコツコツと安打を積み重ねるだけだ。 <写真=敗戦の中にもキラリと輝く1号ホーマー。8回坪井は山本昌から中越え2ランホーマーを放つ> 矢野先制2ラン空砲矢野の先制アーチも実らなかった。2回1死三塁で、山本昌のカウント1―0からのストレートを左翼スタンドへ今季1号。「打った瞬間は、犠飛にはなると思ったんですが、それにしてもよく飛んでくれました」と振り返った2ランは中日から阪神への移籍2年目で、古巣中日から初めて打った本塁打だった。 だが“恩返し”の1発は実らない。5回にメイ、葛西が中日打線につかまり、大量失点。6回の守備からマスクを定詰に譲り、ベンチに下がった。「メイはそんなに悪くはなかったのに、僕が引っ張りきれなかった。僕は打つことよりも、やっぱりリードで貢献しなければ…」と敗戦の責任を1人で背負うようにうなだれた。2安打2打点と“恐怖の7番”の力は発揮しても、大敗に声がなかった。 新庄先発落ちの危機新庄がスタメン落ちの危機に立たされた。3打席無安打に終わり、前日(26日)の甲子園での特打の効果も出ず。先発陣がよく振れている阪神打線にあって、新庄の振りの鈍さは歴然。松井ヘッドは「内容が悪いなあ。(外すか外さないかは)投手との兼ね合いにもよるんで、明日(28日)になって見ないと何とも言えない」と顔を曇らせた。新庄本人は無言でバスへ。1軍昇格時は大活躍だった新庄も、厳しい立場に立たされた。 柏原打撃コーチ(新庄の不振に)「上がってこないねえ。(不振は)足のこともあるんだけどなあ」 メイ(5回途中9安打6失点KO)「球は走ってたけど、先頭打者を何回も出してしまったからね。変化球のコントロールもよくなかった。また、出直すよ」 (9勝10敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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