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川尻完封で6連勝!5割宣言通り!8年ぶりヤクルト3タテ
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3勝ハーラートップ最後はマウンドで派手な、横殴りのガッツポーズだった。「あと1球コール」に、後押しされ川尻がその期待通り、スミスを空振り三振にきった。広島佐々岡と並ぶハーラートップタイの3勝目は、鮮やかな4安打完封劇だった。そして何より、チーム5割復帰の6連勝を呼んだ喜びが、突き上げた右拳に乗り移っていた。 「きょうは大切な試合だって、ボクもそう思ってたから。こういう形で勝てて、本当によかった」。お立ち台の川尻を、大入り4万7000大観衆が割れんばかりの大拍手で包んだ。だがそのセリフには、1勝の重みを知る男ゆえの奥深さがあった。ちょうど1年前、4月24日の巨人戦。脱税事件の処分から復帰した。しかし、チームの連勝を「6」で止めてしまった。以後、虎は最下位へ真っ逆さま。だから、この日は特別だった。6連勝目だったのも奇縁だ。 昨年を含めて、4年間で4月わずか1勝だった。しかし、今年はすでに3勝。本来、スロースターターだった川尻だが、しっかりした“備え”があった。「きょうはいいピッチングが出来ると、自分でも思ってたんだ」。そう言えるのも、走り込んで下半身を鍛え直した成果だった。22日の甲子園練習。全ナインが引き揚げた後30分間16往復、無人の外野で100メートルダッシュを黙々と繰り返した。2勝はしても、上体に頼り過ぎた投球内容には不満足だった。
「へへへ…。球速の割りには角度もキレもよかったでしょ。打者も打ちづらかったと思うよ」。速球と言うには、はばかれるし130キロ前半の球。しかし、キレがあった。しかも超スローカーブを交え、最大球速差44キロの緩急も存分に駆使。最速133キロの表示だけを見た野村監督は「完封してんだからいいんだろうけど、欲を言えばもう少し真っすぐがなあ」と苦言。それもご愛嬌だ。 3月に生まれたばかりの長男健太郎君が、今は何よりの励みだ。「お風呂に入れたりするけど、抱いた時のズッシリくる重みが何ともね。父親になったんだなあって実感するよ」。明子夫人(29)と結婚5年目で授かった愛息の頭をなで、この日も甲子園へ来た。昨年のノーヒットノーラン以来の完封を演じたウイニングボール。それがお土産。そっとバッグに忍ばせた。「子どもにね。完封なんてめったにないから…」。 思えば4・3巨人戦で野村阪神初勝利を挙げたのが川尻の1勝目。この6連勝の始まりも川尻。そして今度は8年ぶりのヤクルト3タテを呼び5割復帰。「ボクが次に投げるまで、連勝を続けてて欲しいですね」。節目、節目に川尻の好投があるとするなら、次回登板では首位獲得? そんな夢の広がる快勝だった。 <写真=川尻は4回、副島の打球をナイスキャッチ。ノーヒットノーラン以来の完封で3勝目をつかみ取る> 今季最多4万7000観衆虎党の期待さらに大きく「六甲おろし」大合唱
「六甲おろし」の大合唱。甲子園は、今季最多4万7000人の大入り。この日の5割復帰に「優勝しそう…いや、優勝ですね。野村さんが監督になって、選手もそうでしょうけど、僕らも期待しています」(川口達也さん=25、西宮市、会社員)と、スタンドからは早くも“V宣言”が飛び出した。 徹夜組3人を含む2500人が開門前の甲子園を囲み、球場は当初の予定より10分早い午前11時50分に開場。天候こそ試合開始前は曇り空だったが、5割目前の好成績と日曜の好条件が重なり、甲子園開幕の11日中日戦の4万1000人を上回る人出を記録した。「おととい(23日)、昨日と勝ち方がいいし、ファンも期待されているんでしょう。巨人戦以外でこれだけ入るのは久しぶりです」と大町営業部課長も連勝効果を強調した。 「ブロワーズが戻ってきて、打線に厚みが出ている」(北川史顕さん=42、堺市、会社員)と助っ人の活躍に興奮するファンから「夢を見させてほしい」(武田靖子さん=38、神戸市、主婦)と野村監督に拍手を送るファンまで。それぞれの思いを込め、甲子園は5割を祝った。 <写真=地元甲子園で6連勝、ライトスタンドのファンは、メガホンを振り今日も勝ったぜ!> ブロワーズ、初V打ノムさん「あれが4番」
本場メジャーからきた男も、マンモスの熱気には圧倒された。来日初体験のお立ち台。最初は緊張気味だったブロワーズのテンションが、4万7000人の大きな歓声とともにイッキに上がった。 「タイガースは生まれ変わった。去年は去年で、今年は今年。チームは確実に前進している」。インタビューのラストは、泣かせるセリフで締めくくった。 ファンをしびれさせたのは、4回先制したバットだ。1死二塁。「狙い球を絞って、ボールを選んで打っていった」。高木のカウント1―3からの外角シュートを、ライト前に持っていった。7回にも3点目を挙げる貴重な適時打。前日(24日)は初本塁打で2打点だったが、この日は2タイムリーで2打点。来日初のV打点もたたき出した。 マリナーズ、ドジャースなど、米大リーグでの10年間はスロースターターだった。環境を変えたブロワーズが「4番」の勝負強さを復帰3戦で十分発揮する。「あれが4番や。だから4番におるんや」。ご満悦だったのは野村監督だ。さらに、ヤクルト時代の9年間は、師弟関係として敵の強力打者を徹底解剖してきた古田のリードを「もうひとつつかみ切れていないな。どう攻めていいのか怖がってる」と“格上”の新外国人を強調してみせた。 27日の対中日戦(岐阜)で貯金にチャレンジするタテジマ。「これが新しいスタートだ」。頼りになる“4番”は、最後に自信ありげに胸を張った。 <写真=これが4番や! 4回裏(阪神)1死二塁と先制の好機にブロワーズはうま〜く右へタイムリー> 両助っ人そろって初お立ち台ブロワーズとジョンソンの両助っ人2人が初めて、お立ち台に上がった。ともにお立ち台は初で、ブロワーズが先制打を含む2安打2打点、ジョンソンも猛打賞と活躍が重なり、そろってのヒーロー・インタビューとなった。「マイケルと一緒で楽しかったよ。2人がそろって活躍できたからだし、これからどんどんこういった機会を増やしていきたい」とジョンソンはそろい踏みを約束していた。 12単打のコツコツ打線J砲、今岡“猛打賞”チーム打率が、ついにリーグトップの2割7分8厘になった。しかし、ホームランはリーグ最低の9本。この日も助っ人から脇役までコツコツとシングルヒットを連ね、実に12単打の阪神がヤクルトを下した。そこで、本紙が名付けた。これぞ「コツコツ打線」ではないか…。11安打を放った前日も長いのはブロワーズの1発だけだった。「マシンガン」「ビッグバン」「ブルーサンダー」。他チームに比べて、「コツコツ」は決してカッコよくない。が、勝てばいい。打てばいい。 象徴は今岡、ジョンソンの2人だった。ともに猛打賞。もちろん、3安打をすべて単打で決めた。まずは今岡だ。主砲ブロワーズの先制打だけの1点リードで迎えた6回だ。1死一、二塁から外角直球にバットを出し、ボテボテッと一、二塁間を抜いて貴重な追加点を稼いだ。 7回にも渋い二塁内野安打のタイムリーを放った今岡。2打点含みの今季4度目猛打賞に「3本打てたことよりチームが勝てたことが一番です。後につなげて貢献できればいいんですわ」と話した。 怪力の持ち主ジョンソンもこの日はコツコツ打った。2回の中前打でヤクルト高木からチーム初安打とすると6回にも右前打、7回には打点つきの右前打で今季2度目の猛打賞だ。「本塁打を打ちに日本に来たわけじゃないよ。チームに貢献できればいいのさ。でも4回の左飛は入るかなと思ったけどね」と笑った。 連敗を止めた後の19日の移動日のことだった。野村監督は長崎で行ったミーティングで「3つの提言」をしたという。内容に関してはマル秘扱いだが、野手にはボールは打たず、振り回さずという基本的なことを再確認したようだ。その結果「コツコツ打線」がつながって5割復帰だ。「これからコツコツ貯金していってくれるでしょ」と、監督もコツコツ語録。今の阪神、小さいことからコツコツと―、だ。 坪井、6試合連続安打坪井がしぶい内野安打で、6試合連続安打を記録した。7回まで無安打も、8回の5打席目の投前への当たりを宮出が処理するより早く、一塁を駆け抜けた。また7回はブロワーズの適時打でホームインしたが、坪井が得点を記録した試合は8勝1敗の好成績。「それは特別、気にはしていませんよ。意識はしないです」と坪井はクールだが、打撃好調な1番打者のホームインは高い確率で白星に結びついている。 矢野リードで貢献矢野がリードで6連勝に貢献した。川尻とのコンビでヤクルトを4安打無得点に封じ、1991年以来のヤクルト3タテを演出。「ストレートがあれだけ切れていたら、投球に幅が出てくる。今までは変化球に頼ることが多かったけど、やっぱりストレートですよ」と川尻をねぎらった。試合前の打撃練習で左ヒザに自打球を当て、首脳陣をヒヤリとさせた。連続試合安打は8で止まったが、打てないときは守りでチームを助けた。
(9勝9敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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