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5割王手!ブロワーズ5連勝弾自ら“祝”バースデー1号
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![]() B砲「完ペキだった」3万7000観衆の歓声がマンモスに響いた。体の底から興奮させる一撃だ。ブロワーズのバットから目も覚める豪弾が飛び出した。熱い声援を送り続けるファンのために。待ってくれていた監督とチームのために。そしてこの日、34歳の誕生日を迎えた自分のために。頼れる主砲が5連勝を決定づける来日1号2ランが出た。バースデー本塁打を甲子園のバックスクリーンに叩き込んだ。
2点リードの7回、1死一塁の場面だ。ヤクルト若松監督の秘蔵っ子・五十嵐の143キロの真っすぐを叩いた。「彼(五十嵐)はストレートに自信を持っていそうな感じだった。それを狙っていった。インコース寄りの真っすぐ。完ペキだったぜ」。B砲はそう振り返った。 それにしても、貴重な一撃だった。リードしているとはいえ2点。チーム本塁打リーグトップ25本のヤクルト相手では安全圏ではない。「ノドから手が出るほど欲しかったダメ押し点や。1点でもよかったのに2点とは…。あれは効果的やったわ」。野村監督も満足そうに目を細めた。 実は、誕生日アーチは米国でも経験している。プロ入り2年目の87年、エクスポズ傘下1Aウエストパームビーチ時代に2発打って以来12年ぶり。そのときは大リーグへの夢を追う22歳だったが、今回は異国の伝統球団再生に貢献する助っ人としての1発だ。 バリバリの大リーガーだったが控えめ、決して人前に出たがるタイプではない。米国で在籍したマリナーズではビューナー、ドジャースではバトラー、キャロスといった有名どころがチーム・リーダー。だが選手間の人望はそういった選手たちに勝るとも劣らなかった。それだけに、今回の離脱中の連敗には心を痛めた。
しかも今回、4番復帰には「せっかく連勝中なのに2週間も留守にしていたオレが戻ってムードが変わらないか」という配慮までした。実際、監督にもそれを訴えていた。だが、こんな頼もしい主砲復帰に誰が異論を唱えるのか…。しかも、勢いを加速しての本拠連勝。この日の1発は、自身が吹っ切れたホームランでもあった。 8回表に守備についた際、帽子を取ってファンにこたえた。「最初、何を騒いでいるのかと思ったらオレの名前を呼んでた。感激したよ」。大リーガーが帽子を取って礼をすることは極めてめずらしい。こんな行動も自然にできる。人柄が出た一瞬だった。取材後、報道陣に「ありがとう」と日本語で球場を去る背中。どんな大言壮語よりも頼もしい。野村阪神の主砲は愛すべき男だ。 <写真上=5連勝を1号2ランで決めたブロワーズ(左)を頼もしげに出迎えた野村監督 写真下=7回、バックスクリーンへ放り込んだブロワーズの豪快1号2ランに捕手・古田もア然とボールの行方を見上げる>
ロングリリーフ伊藤が初星山崎→伊藤→福原→リベラ
ノムさん早めの継投ズバッ銀傘に拍手がこだまする。4回2/3のロング・リリーフを終えた虎投最年長へ、ねぎらいの拍手だ。ベンチへ戻る35歳伊藤は、一塁側スタンドに照れ臭そうに帽子を掲げた。 「3回ぐらいもってくれればと思ってたけど、いいペースだったんで、代える必要がなかった」。野村監督もベテランに感謝だ。 伊藤がヤクルトの反撃の芽を、完全に断った。逆転した直後の4回に登板し、4、5回を3人ずつで料理。6回は安打1本を打たれたが、7回も3者凡退。8回2死一、二塁の場面で降板するまで、2安打1四球とヤクルト打線をほんろうした。 これだけの長いイニングは4年ぶり。横浜時代の95年5月27日阪神戦(甲子園)に先発し、6回を投げて以来。しかし、伊藤は「疲れも全然ない。年齢は忘れました」と笑い飛ばした。 昨年、中継ぎ稼業に、不安を覚えた。それまで痛めたことのない右ヒジを故障し、2軍落ち。「よその球団でも、この年齢で、中継ぎで投げている投手はほとんどいないもんね」。だが野村監督から、今年も中継ぎエースとしての重要な役目を与えられ、ベテランは「チーム内での役割だから」と再び奮い立った。 「今、リリーフ陣がまとまっていて、みんなで励ましあってる」。今季初勝利を挙げ、お立ち台に上がろうとする時、リリーフ陣がブルペンから引き揚げて来た。笑顔で冷やかす仲間たちに、伊藤は両手を振ってこたえる。「だれかが抑えたら、みんなでおめでとうって祝福しあえる雰囲気なんだ」。21日の横浜戦(長崎)では葛西が白星。頼れる中継ぎの顔触れは、間違いなくリーグ1だ。 <写真=4回、宮本(左)の一塁ゴロを好ベースカバーでアウトにした伊藤は、“してやったり”の表情> “完全リレー”これぞ勝利の方程式勝利の方程式が確立した。8回のピンチを新人福原が切り、9回はリベラが3人でピシャリ。4点差の楽な場面だったが完全リレーで、5連勝を締めくくった。 「フツーですよ」。4点リードの8回2死一、二塁で登板した福原は、池山を143キロ速球で二ゴロ。わずか1球で仕事を果たした。「一発打たれりゃ1点差になる。そうなってから慌てるよりは」。盤石の手を打った野村監督も大満足。さらに9回は、リベラが3者凡退。最後は真中を三振に仕留め、野村監督に5連勝をプレゼントした。「セーブがつかない? 気にしてない。シーズンは長いんだから」。11日の中日戦で打ち込まれた際の野村監督との確執も解消だ。 福原―リベラとつないだのは今季初めて。売り出し中のセットアッパーから守護神へ。この日の完全リレーは、勝利の方程式第1章だ。 坪井、和田…ヒットパレード5連勝中ともに打率6割台ある時は主役として、またある時は渋い脇役として…。阪神の連勝街道を支えるのは坪井、和田の1、2番コンビだ。坪井はこの日も、2回の先制決勝打を含む2安打2打点の大暴れ。一方和田も、初回のバントヒットから始まり、はや今季4度目の猛打賞をゲットした。 この5連勝中の2人の打率がすごい。坪井が23打数15安打で驚異の6割5分2厘、和田は19打数12安打で6割3分2厘のハイアベレージだ。ちなみに両者スタメン落ちの屈辱も味わった7連敗中の2人の成績は坪井1割5分8厘に対し、和田は3割1分8厘。いかにこの2人が、チームの勝敗に影響を及ぼしているかが分かる。 「自分の仕事は出塁することなんで、今はそれに一生懸命です。これまではファンの期待を裏切ってましたんで…」。今季初のお立ち台。普段はぶっきらぼうな坪井も、充実の仕事ぶりに舌は滑らか。また和田も「坪井がよく塁に出ていろんなパターンが出来て、2番としていい仕事が出来てる」とアウンの呼吸に満足感いっぱいだ。 しかも、このヤクルト戦は石井一、伊藤という2枚看板を打ってのものだから価値がある。「先は長いんで、少しでも連勝を延ばせるよう頑張りたい」。最後に坪井がナインを代表して、ヤクルト3タテの心意気を代弁した。2人のヒットパレードが続く限り、虎は負けない。 今岡エキサイト決勝打逆転決勝打を放ったのは、今岡のバットだった。3回2死二塁。伊藤の134キロ外角スライダーを叩き、三遊間を真っ二つに割った。 「少し泳いだけど、うまく打てましたね。どんな形でもいいから走者を返したかったんで…」。値千金の一撃に、本人も息を弾ませ興奮気味。結局4打数1安打で打率を2割9分9厘に下げたが、まだまだ好調キープだ。3割復帰は、25日の同カードで一気に狙う。 矢野止まらんデ2安打矢野の猛打も止まらない。2回の中前打に続き、4回にも伊藤から左前へ弾き返して計2安打の活躍だ。これで7試合連続ヒット。恐怖の7番打者の打率は、3割7分7厘まで上昇した。「たまたまですよ。でもバッティングがいいと、守る方も乗って行けますね。リード自体は、あんまり褒められたもんじゃないけど…」。山崎の後を受けた伊藤、福原、リベラら救援陣を好リード。3回以降は無得点に抑えた。4連勝を陰で支えるこの男も、攻守にノリノリだ。 J砲、犠飛でしっかり仕事ブロワーズと4月6日の広島戦(広島)以来、13試合ぶりにクリーンアップを組んだ5番ジョンソンも、しっかり重責を果たした。3回1死二、三塁で石井から右翼へ2―2の同点に追いつく千金犠飛。「最低限の仕事だけどね。前の打席で三振したんで、この打席は一層集中したよ」。初回1死満塁で三振を喫した借りを、直後に返済。B砲効果で、この男も調子を上げて来た。 ヤクルト散発4安打〈神―ヤ〉 阪神は1点を追う3回、和田、平塚の連打などで1死二、三塁としてジョンソンの右犠飛で同点。続く今岡の左前打で勝ち越した。4回には坪井の適時打、7回にはブロワーズの中越え2点本塁打で加点。4回から登板した伊藤は8回途中まで無失点に抑えた。ヤクルトは3連敗。 (8勝9敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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