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4連勝!甲子園に六甲おろしブロワーズが石井撃ち、藪完封
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ジョンソンつられて4号
甲子園に「六甲おろし」が熱く響いた。ついに本拠地で凱歌をあげた。16日に15三振を喫した球界NO.1左腕のヤクルト石井一をKOして4連勝。ファン以上に野村監督も留飲を下げたはずだ。 「オレも『六甲おろし』歌おう思たけどな、どこで歌ってええか分からんかった。まあ、カラオケで歌うわ」。野村監督会心の笑顔の理由には、この男の活躍もあった。“帰ってきた男”ブロワーズの大きな復帰効果だ。 2回、初打席でいきなり石井一を打った。初球141キロの外角真っすぐを軽々と右前へ弾いた。「集中力を高めて行った。久々のゲームだったが甘いのがきたらいってやろうと思っていたのさ」。余裕のブロワーズが大きく見える。この一撃が石井一を震え上がらせ、阪神打線に大きな勇気を与えた。続く今岡の遊ゴロが敵失を呼ぶと1死後、新庄が四球を選び満塁。恐怖の下位打者・矢野が2点適時打で先制だ。 野村作戦にも、ブロワーズの影響があった。3回、無死一、二塁で打者は3番平塚。野村監督は東京ドームの巨人戦を再現するように、ベンチ前で平塚に耳打ちする。「相手は石井やからここは大事な場面。ていねいに送ってくれや」…。結果はフルカウントから打って出て併殺になったが、前日まで4番を任せていた平塚への犠打指令こそ、B砲への期待の大きさだ。 平塚もきっちりミスを帳消しにした。次の打席、5回の1死二、三塁から4月7日の広島戦(広島)以来の適時打を放った。「1本出たぐらいじゃあ…」と本人は不満顔だが、次打者席の主砲の見えない影響とも言える。 そして、一番ブロワーズの恩恵を受けたのは、後輩ジョンソンかもしれない。8回にダメ押しの4号ソロを阪神ファンで沸き返る右中間スタンドに叩き込んだ。「甲子園初安打が本塁打なんて。本拠地で勝てて本当にうれしいよ。ブロワーズが戻ってきて打線の核ができた感じだ。ベンチでも話し相手がいるのも大きいね」。 野村監督は胸をなで下ろした。「4番がドカンと座ると落ち着くもんや。何よりオレの気分が落ち着く。打つ打たないは別にしてな」。試合前には「まともに練習してないのに打てるかな」と疑っていたがそれもスッキリ晴れた様子だ。 「勝ててうれしい」というブロワーズ、5回には三塁線抜けてもファウルという当たりを横っ飛びで好捕するおまけもつけた。これで今季初の4連勝。借金「2」などあっという間に返せる気がしてきた。 <写真=本拠地甲子園での初勝利に、会心の笑顔で藪を出迎えるノムさん。この調子で連勝街道バク進だ!>
久万オーナーも感激就任初ロッカーでねぎらい久万オーナーも感激した。阪神オーナー就任15年目にして、初めての行動だった。甲子園初勝利を見届けた久万俊二郎オーナー(77=電鉄本社会長)と手塚昌利オーナー代行(67=本社社長)は、そのまま2階のロッカーに入り、野村監督が引き揚げてくるのを待った。 久万オーナーが選手ロッカーを訪れたのは初めてのことで、地元初白星を飾った野村監督を「ごくろうさん」とねぎらった。チーム7連敗を喫した翌4月18日には、オーナーが野村監督に直接電話して「早まったこと(辞表?)をしていないでしょうね」と激励していた。 オープン戦を含めて3試合目の観戦は、オーナー自身にとっても“今季初勝利”で「チームは変わりました。野村さんのようにやれば、チームはまとまる」と、手応えを感じていた。 藪、ヤク払い完封1勝散発5安打、無四球9K
鮮やかすぎるリベンジ(復讐)だった。やられたら、やり返す。藪の今季初勝利は、見事なツバメ退治だった。16日の同カードで0―0の死闘を演じ、9回サヨナラ負けを喫した。阪神打線から、15三振を奪い完封したのは石井一。同じ相手に負けられない。エースの答えが、4年ぶり2度目の無四球完封劇だった。 三塁すら踏ませない。散発5安打で9奪三振。打席でも石井一から5回に右前打を放ち、ダメ押しのホームを踏む強烈なしっぺ返しで、藪が男を上げた。 「ヒット? たまたまです。これで1勝1敗。次があります。また1つ、また楽しみが増えましたね」。 甲子園のお立ち台。藪は心地よい汗を浮かべ、ライバル物語の続編を予告した。今では数少なくなったエース同士の名勝負。完封には完封でやり返した背番号18を、甲子園のファンが大きな拍手で包んだ。 好投しても勝てなかった。開幕3連敗は自己ワースト記録。藪の登板3試合20イニング中の援護はわずか1点。それでも気持ちは、前向きだった。「落ち込んでも仕方ない。気持ちを切り替えて、負けた時も明るく、ね」。 野村監督の就任を藪は喜んだ。「家でも『今年は特別やり甲斐がある』ってしょっちゅう言ってます」と祐基子夫人(30)。その名将の元で“心の野球”も学んでいた。「1つ勝って次につながるね。でも一番遅い時より、(初星が)4日遅れただけじゃない」。有形無形のプラス思考は、粘り強く変身した藪の大きな武器となっていた。 淡白さが災いしたこれまでと違う。4点リードも最後まで手を緩めない。「3連戦の頭だし、点差が開いてもペタジーニとか主力にヒットを打たせないようにしないとね」。6回からは1人のランナーも許さなかった。9回はこん身の投球で古田、ペタジーニを料理した。 偶然にもこの夜は故郷三重・御浜町の「みかんナイター」だった。北裏公教御浜町長や父碩也さん(61)もスタンド観戦、藪の好投を見守った。そして、だれより野村監督が熱い視線をマウンドに送った。 「きょうは藪や。甲子園の初勝利をよう完封でやってくれた。ホッとしたよ。非の打ち所のないピッチングやった」。ガッチリ交わした握手に、また信頼が深まった。 <写真=福岡での雪辱を果たす力投。今季初勝利を完封で飾った藪(中央)は、ナインの祝福に満面の笑顔でこたえる> 内助の功!矢野援護「恐怖の8番」先制2点打
藪にうながされ、先にお立ち台に上がった。完封バッテリー揃い踏みのヒーロー・インタビュー。甲子園では初めてのお立ち台で、矢野はほおを上気させた。 「甲子園は熱狂的なので気持ちイイですね」。リードでは、藪の完封を導き、打っては、先制の2点適時打。日陰に回る女房役が、この日ばかりは藪に負けない輝きを放った。 「ドン詰まりだったけど、気持ちで打ちました」。石井一の速球に、バットは折られた。だが打球は三塁手池山の右を抜けた。2回1死満塁から先制の2点をたたき出した。 大事な打席だった。直前のジョンソンが無死満塁から三振。次打者は藪。大きなチャンスを逃しかねない場面だったが、気後れすることはなかった。「球が速いので、バットを短く持ったけど、何とかなるという感じはありました」。3割6分7厘はチーム首位打者。絶好調の自信が、前回完封された石井一を倒した。 「完封できたのが、うれしさを倍以上にしてくれましたね」。リードも満点だった。5回2死二塁で打者真中。カウント2―3から内角スライダー要求した。直球しか頭にない真中は、まったくタイミングが合わずに空振り。三振でピンチをしのいだ。「味のあるリード。思わずウマイっていうのが何回かあった」。捕手には厳しい野村監督も、この日の矢野のリードには花マル評価を与えた。 この言葉を聞いた矢野ははにかんだ。「いつもは怒られてばかりですけど、1日1個でも、監督に認めてもらえることを増やしたいです」。開幕から全試合、スタメン・マスクを任せらる中、矢野が一歩ずつ『古田』に近づいている。 <写真=2回裏、矢野は藪を援護する先制2点タイムリーを放つ> 坪井、4戦連続ヒット5回のダメ押し2点を演出したのは、坪井の快打だった。無死一塁から、チャンスメークの左前打。石井一からプロ5度目の対決で初安打を放ち、続く4番平塚の2点打を呼んだ。「きょうはボクじゃないでしょう」。坪井は照れ笑いでヒーローの座を藪やブロワーズに譲ったが、これで4試合連続安打。打率も今季最高の3割6厘まで上げた。振り子も完全復活。この男が打ち続ければ、虎は勝ち進む。 (7勝9敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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