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大魔神撃ち3連勝ノムさん「大豊が星野がよう打った」
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3連続猛打賞・坪井が口火!!新庄ラッキーV打
オランダ坂で知られる坂の街・長崎で繰り広げられたジェットコースター・ゲームは血も騒ぐ2幕のドラマを用意していた。 【第1幕・大魔神撃ち】佐々木に死に物狂いで食らいついた。9回表だ。8回表に2点勝ち越し。ところがその裏、守備の乱れでまさかの逆転を許した。歓喜の渦は左翼スタンドから横浜ファンが陣取る右翼へ。一瞬にしてムードは変わり、大魔神の登場だ。 だれもが終わったと思った。だがこれが開幕だった。先頭の代打大豊がカウント2―0と追い込まれながらフォークボールに食らいつき、右前に落とした。全身が総毛立つほど阪神ファンの期待が膨らむ。坪井が三振に倒れ1死となったが2番和田が魅せた。2―1と追い込まれながら外角の147キロストレートにバットを合わせて右前に流した。そして新庄が粘っこく四球を選んだ。1死満塁の大チャンスで打順は途中出場の4番星野に回った。
「あそこは併殺態勢やったし何とか前に転がしてくれと思った。星野の足なら当たりによっては一塁セーフになる」。併殺崩れを期待した野村監督。だが結果は違った。星野は追い込まれながら左翼に犠飛を打ち上げたのだ。 「高めのフォーク。仕事ないから頑張んないと」。星野はそう軽口を叩いた。今の阪神は1、2軍の入れ代わりが激しい。ベテランとて安穏とはしていられない。ヒーローの1人となった大豊も苦しさを押し隠しての働きだった。 この2連戦前のミーティングで野村監督は大豊をヤリ玉に挙げた。「大豊さんは10年前から変わっていませんね」。相変わらずボール球に手を出す悪癖を辛らつに攻撃した。それに耐え結果を出した。「何も言うことはないよ」。大豊は語らず、意地を見せた。
【歓喜の第2幕】延長11回。2試合連続猛打賞の先頭坪井が口火を切った。佐々木に代わった阿波野から一塁の頭上を越す右翼線二塁打で流れつかんだ。こうなると押せ押せだ。和田のバントは投手と一塁手の間に絶妙に転がり内野安打となった。無死一、二塁の勝ち越しチャンス。 そして復帰以来、好調と幸運を合わせ持つ新庄だ。右前にフラフラッと上がった打球は中根のグラブに当たって地面に落ちた。中根は二塁に送って一塁走者を封殺したが、三塁から坪井が決勝のホームインだ。なんと右翼ゴロが決勝打となったのだ。「勝ててよかった」という坪井、「佐々木から追い付いたのは大きいよ。勝てよかった」と笑う和田と、ラッキーボーイ新庄は言葉もなく顔をクシャクシャにして喜んだ。 「よう勝ったよ。少しずつミーティングの成果が出ているな」と大息をついた野村監督。ミスで逆転され、佐々木が出てきたにもかかわらず勝った。惜しかったと苦笑するしかないはずのゲームをもぎ取った。今年の阪神は何かが違う。 <写真=大魔神の神話を崩壊! 土壇場9回の先陣は大豊の右前打(上)1死満塁で星野は佐々木から同点の犠打を放つ(下)>
執念の7継投…葛西1勝東北高同級生・大魔神に投げ勝った
激しく揺れる試合展開にも、経験豊富なベテランはマイペースだった。9回から登板した葛西が、3イニングをゼロに封じ込め、劇的延長勝ちを呼び込んだ。 「1人1人しのいでいこうと思った。野球は中継ぎが大事だからね」 大魔神佐々木を打ち、同点とした9回裏、7番手として登板。石井琢の安打と盗塁で2死二塁とされたが、波留を右邪飛。延長10回は3者凡退。阪神に傾いた流れを、最後まで横浜に明け渡さない。この粘投が、11回の勝ち越しを呼んだ。 「佐々木とはこれまでも(プロで)投げ合ったことはあるよ」。投げ勝った佐々木とは、東北高の同級生。3年夏の甲子園準々決勝(対甲西)で、1点リードしていた9回裏、一塁を守っていた控え投手の葛西がトンネルした。痛恨の同点タイムリー・エラー。試合はサヨナラ負け。葛西は佐々木以上に深い傷を心に背負うことになった。だが、この失策を糧にして、ピンチでも顔色ひとつ変えない精神力を身につけた。 「葛西と心中やった」。野村監督はこのベテランに託していた。山崎、湯舟がベンチに残っていたが、延長10回2死二塁の打席でも、葛西に打たせた(三振)。 しかも、会心の7人リレーだった。圧巻は、2点リードの8回だ。2番手福原が先頭の波留に内野安打を打たれると、鈴木尚から中根まで、打者1人ごとに、4人の投手をつぎ込んだ。遠山、伊藤、弓長、さらにはリベラ。不運な当たりや失策で、逆転されたものの、野村監督が見せた執念リレー。「1人一殺や」。1イニングに5人の投手が登板するというのは、プロ野球タイ記録。この「1勝」にこだわる継投が、チームを一体とさせた。 「きょうがボクの開幕です。この勢いで甲子園(23日からヤクルト戦)でも勝っていきたい」。左ふくらはぎ痛で開幕2軍スタートだった葛西は、今季初勝利を挙げ、長崎で完全復調を宣言した。 <写真=横浜の反撃を断ち切った葛西(右)と今岡(左)> 最強7番!矢野3安打リード面は冷や汗12球団最強の7番だ。矢野はこの日も3打数3安打の大暴れ。打率を3割7分8厘まで上げ、なんと中日井上を抜いて打撃30傑5位に躍り出た。もちろん虎では、文句なしの首位打者。捕手ではもちろん、右打者でもセ・リーグNO・1。 「打つ方はたまたまですよ」。思わず照れたが8回2死、同姓の横浜矢野から一時2点差をつけるタイムリーを放ったのは、紛れもなくそのバット。これで5試合連続ヒットと、昨年の2割1分1厘の貧打がウソのような働きだ。 だが矢野本人は、ヒットよりもリードのことで頭がいっぱいのよう。「結果的に勝てて良かったけど、もっとスンナリ勝たないと…」。8回に2点差をつけながら、その裏再逆転を許した“冷や汗”が気にいらない。だがその後、葛西の粘投を導いたのは、やはりその頭脳だ。虎4人の正妻争いから抜け出し、今や堂々の正捕手。背番号39は攻守に充実しきっている。 吉田豊V呼ぶ奮投勝ち運には恵まれなかった。先発吉田豊は、マシンガン打線を6回1失点。4回まではパーフェクトに抑える快投。打線の援護はなかったが、阪神の勝利につながる84球だった。 「腕も振れて、投球自体はまあまあでしたが、悔いが残るとすればローズへの1球ですね」。吉田は5回ローズへの1球を悔やんだ。外角高めの直球を、バックスクリーンまで運ばれた。1点を先制した矢先だけに、惜しまれた。 今岡も3度目猛打賞今岡も今季3度目の猛打賞だ。PLの先輩野村から中前、右前と弾き返し、3本目は8回、ドラフト1位矢野から一時勝ち越しとなる中前打。これで打率も3割2分2厘まで引き上げた。16日に梨恵さん(20)と入籍し、公私ともに充実。「もう1人ではないですからね。幸せな家庭にして行くためにもボクが野球で頑張りたい」。9月にはジュニア誕生も予定しており、励みいっぱいの日々だ。 (6勝9敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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