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新庄1号、坪井4安打で連勝18安打ハマ叩き、最下位脱出
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先発全員がヒット長崎は雨だった。ヒット、ヒット、ヒット…。快晴の長崎に阪神打線が猛打の雨を降らせた。3時間35分と虎ファンをたっぷり楽しませた試合は、終わってみれば今季初の先発全員安打、今季最多18安打の大爆発。先週、甲子園で3タテを食らった横浜に、まずは強烈なお返しだ。 ヒーロー山積の中で光ったのは完全復活の1番坪井だ。初回に中前打を放つとなんと4打席連続ヒット。5安打を放った18日のヤクルト戦(福岡ドーム)でも記録できなかった打点もキッチリ2つ記録した。2試合連続5安打なら史上初の快挙だったが、そこまでぜいたくは言えない。 「大活躍? これまで迷惑をかけましたから…。きょうは終わったし明日からまた頑張ります」。活躍しても仏頂面は相変わらずの坪井だが、唯一表情をゆるませたのが2回の適時二塁打について。「やっと去年のような当たりが出た。初めてです」と話した。自分にしか分からない感覚が戻ってきた喜びはさすがに隠せなかった。
そして中盤までの猛攻で盛り上がった長崎のファンの歓喜を頂点に仕上げたのは新庄だ。2試合連続で3番に座った試合の第5打席。森中の2球目140キロをセンター左のスタンドに豪快に叩き込んだ。こちらも復調を感じさせる今季1号ソロだ。 「叩けました。思い切り打てと指示されていたんです。それまでの打席の野手の正面をついていたけど感じはよかった。生まれ故郷で1発? やっぱり九州ですから」。育ちは福岡だが、生まれたの長崎対馬、素直に喜んだ。 とにかく打ちまくった。和田が、平塚が、ジョンソンが…。8番田中までが猛打賞。9番メイは5回に三遊間を破っているのだからほんの先日までの貧打線を考えれば夢のような勝利だ。 打撃不振で頭を痛め、顔色が青白かった柏原打撃コーチも「まだまだや! これまで散々迷惑かけたからな!」とほえた。開幕2、3戦で巨人に連勝して以来の連勝。しかも2試合で34安打19得点なのだからこたえられない。まだ借金4の現状は5割に遠いが、こんな勢いなら借金はあっさりチャラにして「稼がしてもらいまっせモード」に入る日も遠くない。 <写真=ノムさんの期待にこたえ、見事に8回、初ホーマーを放った新庄はベンチ前でナインの手荒い祝福を受けた。右は塩谷> ノムさん“笑顔なし”2試合連続の完勝劇にもかかわらず、野村監督はニコリともしなかった。「ナニ、ナンデスカ!」。イスにドカっと腰を降ろしての第一声。あえて不機嫌そうにする姿が、逆に満足感を示していた。 「どこのチームでもそうだけど1、2番が出塁すると活気が出てくる。1回も坪井と和田のエンドランがうまくかかって先制点が取れたからな」 最初に振り返ったのは、初回の先制シーン。坪井がボテボテの中前打で出塁。続く和田との間で見事にヒットエンドランが成功し、新庄の三ゴロの間に、坪井が生還…。TOP野球を具現化した効果的な得点が、大量9点の中で1番うれしかったに違いない。 前回の3連戦(13日〜15日)では、地元甲子園で3連敗。因縁の権藤監督に煮え湯を飲まされたばかりか、本拠で赤っ恥をかかされた。試合前のセレモニーでは、権藤監督とホームベース付近で最大3メートルも接近しながら全く視線は合わせなかった。それだけに横浜を破っての連勝は痛快。しかも借金4に減り、5位に浮上。逆に横浜が最下位に転落だ。 「順位なんて、どうでもええ」 ぶっきらぼうに吐き捨てたものの、内心はしてやったりの心境。もちろん、本当に心から喜ぶためには21日2戦目も勝たねばならない。
メイ、今季初星10日も早くツキが変わった
悲運の男に、ようやく光が射した。先発メイがマシンガン打線を封じ、5回を2失点。3試合目にして、待望の今季初星をつかんだ。「きょうは打線のお陰だよ」。こんなコメントが飛び出したのは、来日2年目にして初めてのことだ。しみじみかみしめるよう、メイは感謝を口にした。 13日の横浜戦(甲子園)のように、8回を1失点に抑えても援護なく、昨年からアンラッキーは今年も続いていた。これまで日本では通算23試合に先発したが、打線の1試合平均得点は3・2点と、他の先発陣の中で最も少なかった。それがこの日は、これまでの分を補って余りある今季最多18安打9得点の猛爆劇。「きょうは苦しかったから…」。5安打4四球。5イニングで9度も3ボールにするなど、決して調子はよくなっかただけに、感謝感激の大援護となった。 前日報道陣に対して「シャラップ(黙れ)!」と毒づいたように、勝てないイライラは募った。それを励ましてくれたのが、来日中の恋人だった。「人間、悪い時ばかりじゃないわ。必ずいいことが起こるから…」。長崎までついて来てくれた恋人と、この日の試合前は長崎中華街散策で気分転換。将来を共にするかも知れないパートナーがスタンドで見守る中、渾身の114球だった。 「とにかくチームが勝てたことがうれしい。今度はもっと回数を投げれるように頑張るよ」。24時間前に毒づいた険悪な顔は、もうそこにはなかった。祝、悲運返上。あとはラッキー街道を走るだけだ。 <写真=5回2失点に抑え、今季初星を挙げたメイ> ジョンソン復活弾長かったスランプ脱出を、高々と舞い上がるホームランで証明した。ジョンソンが5回、右翼席に飛び込む豪快なアーチ。11試合ぶりに飛び出した3号2ランだ。「初回から積極的にイッてやろうと思ってたんだ。思い切り振り抜くことができたよ」。 試合前、柏原打撃コーチから受けたアドバイスを実践した。「ミートの時に右ヒジが伸び切っているから、バットのヘッドが下がる。アッパー気味でもいいけど、もう少し右ヒジに余裕を持たせろ」。4月4日の巨人戦以来、36打席ぶりの1発は、この助言通りだった。 「ホームランはうれしいけど、ヒットを打つことを心掛けたい。結果的に、スタンドまでいけば最高だけどね」。これで、ジョンソンが安打を放った5試合は全勝。「ジョンソンの2ランは、地味だけど、効いたな」と野村監督。ジョンソン不敗神話が、阪神逆襲のカギを握る。 遠山、14年目の初S遠山がうれしいプロ初セーブを挙げた。7回から登板し、投手再転向最長の3イニングを2安打無失点。プロ14年目、209試合目にして初めて、歓喜のハイタッチを味わった。「やっぱり…、うれしいよね」。野村監督とガッチリ握手を交わすと、普段はひょうきんな男も、さすがにジーンと来たようだ。上手からスリークオーターに代えた再転向2年目。ロッテでは打者として解雇された男が、古巣阪神に拾われ、野村再生工場の下でひと花咲かせた。 はた目には6点リードの楽な場面とはいえ、全力投球だった。「今は与えられたところをキッチリ抑え、監督に信頼されるようにならないといけないですから。それに前に横浜にはやられたんで、やり返そうと思った」。14日登板の横浜戦(甲子園)ではローズに2ランを浴びるなど散々。だが出身の熊本八代などから知人らが応援に駆けつけたこの日は、気迫が横浜打線を上回った。「とにかくボクの場合は、1つ1つですよ」。野村監督も期待大のベテランが、頼もしい存在になって来た。 田中プロ初猛打賞ノムさんも1軍及第点4年目田中がプロ初の猛打賞。自慢の俊足でグラウンド狭しと走り回った。「バットに当たらないと思ったから」。1本目は絶妙な一塁へのバント安打。続く4回には左翼線へライナーの二塁打を放ち、坪井の三遊間安打で、俊足を飛ばして本塁へ生還した。5回にも中前安打で、プロ初の猛打賞。「坪井さんが4本目を打ったので、ボクも狙ったんですけど、欲をかき過ぎました」。最終打席は一ゴロに倒れたが、わずかスタメン4試合目で、大きな仕事をやってのけた。 マジメな若手選手が多い中、若虎きっての酒豪。そのため、かつては首脳陣から練習に不熱心とみられがちだった。そんな見方を変えてくれたのは、昨年の岡田2軍監督(当時2軍打撃コーチ)。「なにも夜に練習する必要はない。昼間に練習してから遊びにいったらエエんや」。田中はこの教えを守った。 「田中は1軍の雰囲気に慣れてきた。守備、走塁は合格点」。開幕1軍に抜擢した野村監督も及第点だ。 和田、絶妙バスターさすがベテラン! 和田が絶妙のバスターで勝利を決定づけた。5点差に迫られた直後の6回、無死二塁で、バントの構えから右打ち。前進してきた一塁手駒田の右を抜く適時打とした。「相手がバントと決めてきたから。イイ場面で、相手にダメージを与えることができたね」。初回無死二塁でも、チャンスを広げる内野安打を放ち、イブシ銀の技を見せつけた。 (5勝9敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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