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藪「見殺しじゃ」零封負け7回2死までパーフェクトも援護なし
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熱投122球目。藪が力尽きた。9回2死満塁、カウント1―0から途中出場の佐藤にスライダーを投じた。三遊間を無情の打球が抜けていく。ベンチへ歩く藪にとって辛過ぎる試合が終わった。 「う〜ん。最後までよく監督が投げさせてくれたということでしょう。悔いがあるとしたら最後かな」。努めて平静を装った藪だが表情は強ばったままだった。 文句のない好投だった。速球は140キロを超えなかったが変化球のキレとコーナー・ワークでヤクルト打線を切り取っていった。夢の緊張が広がった。7回2死まで打者20人を相手に1人の走者も許さない。完全ペースだ。 古田に渋く一、二塁間を破られ、記録の夢が途絶えてからも気持ちは切れなかった。8回には味方のミスと自分の失策による無死満塁のピンチもしのぎ切った。2連敗中の不運を振り払おうとする投球内容。これで勝てなくてどうやって勝つ、という内容だ。
だが勝てない。完全試合の経験もある八木沢投手コーチは「勝たせたかった。最後は甘かった? 何百球も投げれば甘い球もあるよ」と大げさな表現で必死にかばった。 藪に運はなかった。この試合、阪神の唯一の好機だった2回2死満塁から打順が回ってきてしまう。ここで投手に安打を許すほどヤクルト石井一は甘くない。食らいついたがあえなく空振り三振に倒れた。 5回には野村監督が必死のさい配を見せた。1死から藪が四球で出塁すると1番和田との間でラン・エンド・ヒットをかけた。結果は最悪の三振併殺。完全試合ペースの投球を続ける藪を走らせてまで、点を取りにいったが、藪に援護はなかった。 福岡ドームと言えば2年前の97年4月19日に、同じヤクルト戦で葛西が同じ佐藤にサヨナラ安打を食らっている。そのときの先発投手も藪だった。何の因果か…。博多は藪に冷たい。 <写真=“あわやパーフェクト”の好投から悲劇のどん底へ。9回佐藤にサヨナラ安打を放たれ、喜ぶヤクルトナインを背にし寂しくベンチへ引き揚げる藪> 甘くなかった佐藤、2年前にも悪夢の被弾佐藤は2年前にも同じ福岡ドームの阪神戦で殊勲打を放っている。1997年(平9)4月19日に行われたヤクルト―阪神2回戦は藪、山本両先発で始まった。ヤクルトは3回、飯田の適時打などで2点を先制。7回にも加点し4―0で試合を決めたかに見えた。だが阪神は9回表、平塚の二塁打を皮切りに和田の適時打、ハイアットの4号3ランで4―4の同点に追いついた。その裏、1死無走者で打席に立った佐藤は阪神5番手の葛西から福岡ドームの左翼スタンドへ1号サヨナラ本塁打を放っている。佐藤で笑った野村監督は2年後、佐藤に泣かされた。 新庄復帰初ヒットも…「毎回15K」タメ息3安打6連敗
やはりスターだ。左太もも痛が完治した新庄が、1軍登録され、いきなり6番中堅でスタメン出場。さらに、復帰初打席でヒットを放ち、地元博多のファンを大喜びさせた。 「打撃の調子? 見ての通り。守備も万全? うん」。開幕から10試合目にして、ようやく立った2回の第1打席。石井一のスライダーを軽く左前に運んだ。守備でも7回、土橋の左中間へのライナー性の打球をランニングキャッチ。遊離軟骨を抱える左ヒザの影響も感じさせなかった。 だが、この華やかな男が戻ってきても、特効薬とはならない。新庄の安打後、内野安打と四球で2死満塁とするが、藪が三振で無得点。以後の安打は大豊の内野安打だけ。わずか3安打で、早くも今季2度目の完封負け。結局、外野に飛んだ安打は、新庄の左前安打1本だけだった。 「こんなに打てんもんかなあ。内容的には5分だけど、完敗でしょう」 野村監督がヤリ玉に挙げたのは、ベテラン和田だ。5回1死後、藪が四球。続く和田のカウントが2―3となったところで、藪にスタートを切らせた。和田が転がせば、最悪でも得点圏に進塁できる、と投手に走らせるギャンブルに出たのだ。ところが、和田はカーブに見逃し三振。もちろん、藪は二塁アウト。勝負をかけた作戦は、三振併殺という最悪の結果となった。 「どうして藪を走らせたか、和田は理解してくれんと。ベテランだから信頼してるんだが…」 前日は不振の坪井をスタメン落ち。この日はジョンソンを外し、最後の切り札新庄も使った。それでも、事態は好転しない。野村コンピューターも八方ふさがりだ。 <写真=古巣ヤクルトに敗れ6連敗。足取り重く引き揚げる野村監督> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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城、2打席連続三振新庄とともに1軍に昇格した城が、野村監督の期待を裏切った。いきなり2番ライトでスタメンに抜テキされたものの、2打席連続三振。石井一の速球についていけず、4回裏の守備から坪井と交代した。福岡へ出発する朝の新大阪駅では「頑張ります」と松井ヘッドに明るく宣言していたが、試合後は何を聞かれても「…」だった。 柏原打撃コーチ(3安打完封負けに)「これで、藪を援護できなかったのは3度目。藪に申し訳なくて。野手はそのあたりを考えんとイカン」 (3勝8敗) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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