Tigers

98年タイガース戦跡



第122戦(9月18日)逆転G倒!坪井プロ初4安打

 甲子園  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
巨 人
阪 神
【勝】川尻 【S】リベラ 【敗】西山

坪井  期待にこたえる坪井が帰ってきた。押せ押せムードの甲子園。坪井のバットから、打てばヒットの予感が漂う。4―4同点の8回裏、川尻のバスターが決まって1死一、二塁。低空飛行のライナーは巨人高橋の前で弾んだ。プロ初となる1試合4安打。それが今岡のG倒決勝打を呼び込んだ。

 「今まで3本目を打つと4本目がどうしても出なかった」。しかし、坪井は、ここ5試合でわずか2安打のひ弱な姿ではなかった。初回と3回に連続安打。7回には中前打で同点に追いつく土台を築いた。今季10度の猛打賞のうち、なんと5度までが巨人戦。対戦打率は4割2分と驚異的だ。伝統の一戦に強い男、これがファンにはたまらない。

 突撃する姿勢で、スランプから抜け出した。四球の3打席目をのぞき、たった9球で4本のヒットを稼いだ。「一晩でころっと変わったな。積極的にいって、こうなったんや」と福本打撃コーチ。あれこれ考えなかった結果が、打率8厘アップにつながった。

 もっとも、試合後の坪井は重苦しかった。お立ち台を10勝目の川尻と今岡に譲り、ベンチを足早に出た。「いい仕事をした? それはボクの決めることではないから…」。それだけを話して、ロッカーへと消えた。戦いを終えた瞬間、新人の頭の中はゲームの集中力が続いていた。

 シャワーを浴び、私服に着替えて駐車場へと向かう道では、今度は一転、軽やかに口を開いた。報道陣に向かい、「4安打が初めてだって知ってましたか?巨人戦に4割2分というのは知らなかったけど、お客さんが多いからとか(新人王を争う)高橋がいるからとかじゃないですからね」。その表情には、「いい仕事」をした実感があった。

 これで通算119安打。吉田監督の現役1年目に並んだ。「そんなもの、わたしは残り20試合のときにあと30本は打てと言うたんです」。41歳年下のルーキーに抜かれる日を、吉田監督自らが待っていた。

 しぼみかけた夢が、「4の4」のパフォーマンスでまたふくらんだ。通算打率は3割2分9厘と久しぶりのジャンプアップ。横浜ローズと広島緒方を抜き去り、3位に返り咲いた。「明日は明日の風が吹くから、打てなくなるかもしれませんよ」。巨人を倒す先に、新人首位打者の快挙。坪井はまだまだ、ひょっとしてを、感じさせる。

<写真=走れ首位打者、新人王へ! プロ入り初の4安打の固め打ち、3回にはハンセンのタイムリーでホームに激走>

(48勝74敗)


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