98年タイガース戦跡 第118戦(9月13日)坪井また音なし
「審判の言うことは絶対だから、仕方ないんじゃないですか」。第3打席、2―2から関口の6球目。坪井は外角低め直球を自信を持って見逃した。しかしコールはストライク。笠原球審を思わず振り返る。口にこそ出さなかったが、薄ら笑いを浮かべて無言の抗議を行った。 8回の最終打席も遊飛に倒れ、この日3打数無安打。第1打席の四球だけで、2試合連続ノーヒットに終わった。 「きのうと同じでしたな。きわどいボールを振っている」。吉田監督は坪井の変調に首をひねった。福本打撃コーチが指摘するのは、蓄積した疲労。「軸足がズレてる。下半身に疲れがたまってるんやろう」。大きく振り上げて着地する右足に、粘りがなくなっている。 だがこんな『調子落ち』説も、向こう意気人一倍の新人は真っ向否定した。 「ヒットが出てないことで調子が悪いと取られるんだったら、そう取ってもらってかまいません」 オープン戦後半に調子を落とし、一度は開幕一軍にも黄信号が灯った。シーズン序盤も、スタメンで使われながら、チャンスをモノにしきれなかった。だが、そんな時も、周囲には強がることを忘れなかった。 「そのうち落ちてくるって言ってたでしょ」。悔しさを内に秘め、ピンチを乗り越えてきた。残り17試合。最後の壁も、必ず乗り越えてみせる。 <写真=8回の4打席目、関口に遊飛に打ち取られた坪井は、打席で痛恨の表情をみせる> (45勝73敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報へ] ![]() | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||