98年タイガース戦跡 第114戦(9月6日)坪井.333でトップ見えた
第2打席も中前へ弾き返して4打数2安打。打率は自己最高の3割3分3厘にまで上げた。一方ライバル前田はノーヒットで3割3分6厘に急降下。ついに、ついにその差3厘だ。「もうその話題はいいっスよー」。苦笑いの坪井だが、あの長嶋さんでも成し得なかった前人未到の新人首位打者はもうすぐ目の前。今回の直接対決3連戦でヒット1本の前田に対し、6安打と快勝。暗い話題ばかり続く阪神唯一の希望の星が、夢を現実に変えようとしている。 進撃の秘訣は、この日見せつけたように滅法強い第1打席にある。試合開始15分前。ミーティングが終わるや、まだ無人のベンチ前に真っ先に出て、素振りを始めるのが坪井だ。その心は「試合の雰囲気に一刻も早く入るため」。これぞ核弾頭の心得。一度も欠したことがない儀式の結果、第1打席は77試合で74打数28安打で、打席別では最も高い打率3割7分8厘だ「比べること自体恐れ多い」と謙そんするセ界の前田、鈴木尚の背中をついに捕らえた。もし球界史上初のタイトルを取れば、高橋、川上が本命視されている「新人王」も、大逆転。飛び交う「新人王狙え!」の大合唱。坪井の打ちでのコヅチには、夢がいっぱい詰まっている。 <写真=立山連峰にこだました打ち出の小づち。ベスト10トップに立つのも秒読みに入った>
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