Tigers

98年タイガース戦跡



第110戦(9月2日)虎党の希望・坪井あ〜ぁ4の0

 甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤクルト
阪 神
【勝】石井一 【敗】メイ
【本】大豊15号(ソロ=石井一)古田9号(2ラン=吉田豊)

坪井  しりモチをついたまま、坪井は顔だけ起こして“まさか”の打球を見た。だが、ああ無情…。ボテボテのゴロは三塁前フェアゾーンへ転がった。6回、石井一からの顔面付近への“ブラッシュボール”。体は避けたが、バットは白球を弾いていた。ボールが一塁へ転送されてやっと起き上がった坪井は苦笑い。格好悪い三塁ゴロがこの日不調の象徴だった。

 弾丸男がついに止まった。打撃10傑3位、自己最高の3割2分9厘で迎えたこの日の試合。8試合ぶり無安打で、夢の新人首位打者へのバク進は小休止となった。「無安打? そうですね。天才じゃないですから…」。怒気を含んだ口調に、悔しさがにじむ。石井の前に空振り三振、二ゴロ、三ゴロ、三邪飛…。10傑3位は変わらないが、3割2分5厘に下げた。

 「数字? 意識してないですよ。勝手に周りが騒ぐから…」。試合前の球場入りからテレビカメラが回り、報道陣は練習中も一挙手一投足にピッタリマーク。24歳の青年に意識するなという方が無理な話だ。これまで石井一に11打数5安打と一人カモにして来た男が逆にカモられ、チームは敗戦。ヒットマンの“変調”はプレッシャーと無関係ではなかろう。

 吉田監督はいう。「今日は第1打席でボール球を振らされて、あとはほんろうされてましたな。そう簡単にはうまくいきません。これを克服していかないと」。夢は簡単には手に入らない。目に見えない重圧との戦いも、大きな試練になりそうだ。

<写真=初回、三振に終わった坪井>

(41勝69敗)


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