Tigers

98年タイガース戦跡



第105戦(8月27日)坪井、打撃ベストテン3位

 甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
横 浜
阪 神
【勝】川尻 【敗】野村 【本】大豊13号(3ラン=野村)

坪井  図ったように回ってきた今季325打席目でも、坪井は自分を見失わなかった。大量リードの8回裏、2死走者なし。ようやく規定打席をクリアする区切りの場面で新人離れしたセンスをみせた。106キロの緩い変化球にも振り子は崩れない。きっちりヘッドを残して中前に、今季94本目のヒットを飛ばした。

 破格の第3位、初登場だ。ついに坪井の名前がセリーグ打撃部門のトップ3に刻まれた。3割1分8厘。前田(広島)鈴木尚(横浜)とリーグを代表する好打者に同じ土俵で挑戦する資格を手にした。

 試合後のコメントが、将来性を予感させる。「内容が全然ダメです。規定に達したと言っても、大事なのはこれからです」。ゴールではなくここからが正念場のスタートライン。今や、虎党に夢を与える数少ない男は、現実をきっちり捕らえていた。

 右も左も初体験のプロ1年生。アマチュア経験は豊富だが不安はあった。プロ初スタメンとなる4月15日のヤクルト戦。朝、独身寮を出ると2、3人のファンに囲まれた。ひと通りサインを終えた坪井は突然しゃがみこみ、3歳になるちびっ子の頭をなでた。「応援してくれよ」。同じ目線で語りかけ、はにかむように笑った。見られていること、声援されることを自分の力に変えた。プロとしての生き方を1年目にして飲み込んだ。

出迎え  初回には三塁強襲の痛烈な内野安打。12連敗以後、ここ9戦で6度目となる先頭打者出塁で猛虎打線に火をつけた。今岡、ハンセンと続いて先制点。たまった走者を大豊が3ランで掃除した。横浜マシンガンのお株を奪う4点。「きょうも(左腕の)野村と分かっていましたが、使っていきました。坪井、今岡がいいリードオフマンをしています」。長期ロード明け、3カード連続の勝ち越し。ようやく固定した切り込み隊長に吉田監督も手ごたえを感じる。

 「心配しないでもシーズンが終われば普通の成績になっていますよ」。セリーグでは広岡、長嶋(巨人)以来というルーキーの規定&3割がもう手の届く所にきた。

<写真(上)=アッパレ坪井! 規定打席到達でいきなり3位に登場の坪井。9回、第5打席も鮮やかな安打だ(下)4回、佐伯の大飛球をランニングキャッチ。ナイン総出の出迎えを受けた>

(40勝65敗)


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