98年タイガース戦跡 第104戦(8月26日)天まで届け!5回魂の5連打
「坪井が引っ張ってくれています」。吉田監督も絶賛を惜しまない。初回、右翼前にポトリと落として出塁すると、桧山の適時打で先制のホームイン。5回には自分でもビックリの強烈なセンター返し。「たまたま。あんな球足の速い打球が打てるなんてびっくり」。飛びつこうとした二塁ローズが足を滑らせた激しいゴロは、右中間深くまで転がり、勝ち越し二塁打。この日2度目のHランプが、トラの5連打猛攻にゴーサインを出すシグナルとなった。 面識はない。現役時代の記憶もない。それでも村山氏の偉大さを、坪井はかみ締めていた。ユニホーム姿で参列した告別式では、祭壇の遺影に向かい「今度はぼくとか今岡とか、若いものがしっかりしていかなくては」と猛虎魂の継承を誓っていた。 27日にも規定打席に達する。セリーグ打率部門の初登場は、新人離れした第3位が濃厚だ。「結果が出ているのはうれしいけど、まだまだ納得のいく打撃ではない。きょうだって見逃しや打ち損じがあった」。現状に満足しない。試合前のフリー打撃では打席後方から一歩、また一歩と投手方向に近づきながら、より実戦派の球と対することを心がけている。 第4コーナーを回ったセの新人王レースで、大外からのマクリはさらに加速する。それでも「それは(高橋)ヨシノブ、(川上)ケンシン、(小林)カンエイで争いますよ」と意識のない口ぶりだ。そんなライバル達にとって、水面下で無意識に揺れる坪井の背ビレは、脅威以外の何物でもない。 一枝ヘッド「久しぶりやったな、こんな試合は…。坪井のように、勢いをつけてくれる選手がいると乗っていけるよ」 ハンセン(5回に適時打)「ファウルで粘ってるうちにタイミングが合って来た。当たりは良くなかったけどラッキーだった」
<写真=規定打席到達の気負いはまったくナシ、この日も2安打のヒットマン坪井。5回のチャンスには横浜・戸叶から右線への決勝二塁打だ>
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