Tigers

98年タイガース戦跡



第98戦(8月19日)坪井、三塁打V撃

 広島  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
阪 神
広 島
【延長10回】
【勝】伊藤 【敗】玉木重
【本】緒方13号(ソロ=中込)、新庄4号(ソロ=紀藤)
   金本15号(2ラン=中込)、緒方14号(2ラン=リベラ)

坪井  思いっ切り、両手の拳を4回も握った。三塁ベースを踏み締めた坪井が、プロに入って初めてガッツポーズをみせた。3対3の同点で迎えた10回1死満塁。右中間突破、虎に連勝をもたらす走者一掃の三塁打に、本能は押さえ切れなかった。「本当はしたくなかったんですが、思わず出ちゃいました」。普段感情を出さない男が、顔を真っ赤に大興奮。それほど24歳のルーキーも勝ちに飢えていた。

 「昨日もきょうも、いい所で打てなかったから…」。プロ初のヒーローインタビューも興奮で声が上ずった。「自分は酒が飲めないから気分転換が難しい」とこぼしていた死のロードで10試合連続ヒットを飛ばしたが、ついに前夜でストップ。そしてこの日も5打席凡退…。負けず嫌いの男は、悔しさすべてを「ここ一番」でぶつけた。前夜は遊ゴロの決勝点だったが、今度はだれにも文句を言わせない完ぺきなV打。2試合連続、しかも延長10回の殊勲打にベンチではナインからボコボコの手荒い祝福が待っていた。

 そのお膳立てをしたのは虎の新4番、大豊だ。この男抜きに“奇跡”の連勝は語れない。1点を追う9回2死二塁。玉木重から左前へ弾丸タイムリー。「ウチの野球をしっかりやってれば負けないんだ」。ここまで無安打の男が、土壇場で見せた意地。10回にもダメ押しのダメ押し、この回5点目の右中間二塁打を放ち4月10日以来、実に4カ月ぶりの猛打賞までゲットした。「オレはまだまだこんなもんじゃない」。大豊の言葉は力強かった。

 もちろん吉田監督も満足、納得の笑顔だ。「よう同点にしました。4番が打ってくれるとホントに助かる。これで打線が上向いてくれれば、楽しみな試合になるんですが…」。まだまだ借金28といえども、進むべき方向性が見えてきた。迷走を続けて来た虎に、ほんのり明かりが灯った。

<写真=若トラが決めた、連勝や! 10回1死満塁、坪井は走者一掃のタイムリー三塁打を放つ>

(35勝63敗)


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