98年タイガース戦跡 第98戦(8月19日)坪井、三塁打V撃
「昨日もきょうも、いい所で打てなかったから…」。プロ初のヒーローインタビューも興奮で声が上ずった。「自分は酒が飲めないから気分転換が難しい」とこぼしていた死のロードで10試合連続ヒットを飛ばしたが、ついに前夜でストップ。そしてこの日も5打席凡退…。負けず嫌いの男は、悔しさすべてを「ここ一番」でぶつけた。前夜は遊ゴロの決勝点だったが、今度はだれにも文句を言わせない完ぺきなV打。2試合連続、しかも延長10回の殊勲打にベンチではナインからボコボコの手荒い祝福が待っていた。 そのお膳立てをしたのは虎の新4番、大豊だ。この男抜きに“奇跡”の連勝は語れない。1点を追う9回2死二塁。玉木重から左前へ弾丸タイムリー。「ウチの野球をしっかりやってれば負けないんだ」。ここまで無安打の男が、土壇場で見せた意地。10回にもダメ押しのダメ押し、この回5点目の右中間二塁打を放ち4月10日以来、実に4カ月ぶりの猛打賞までゲットした。「オレはまだまだこんなもんじゃない」。大豊の言葉は力強かった。 もちろん吉田監督も満足、納得の笑顔だ。「よう同点にしました。4番が打ってくれるとホントに助かる。これで打線が上向いてくれれば、楽しみな試合になるんですが…」。まだまだ借金28といえども、進むべき方向性が見えてきた。迷走を続けて来た虎に、ほんのり明かりが灯った。
<写真=若トラが決めた、連勝や! 10回1死満塁、坪井は走者一掃のタイムリー三塁打を放つ> (35勝63敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報へ] ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||