Tigers

98年タイガース戦跡



第97戦(8月18日)延長10回やっと勝った!

 18日・倉敷  
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
阪 神
広 島
【延長10回】
【勝】藪 【S】リベラ 【敗】高橋建
【本】大豊11号(2ラン=佐々岡)、前田21号(2ラン=藪)

阪神ナイン  ついに連敗を脱出した。「久々に勝って…。僕も2年間やって来て、選手が勝って喜んだ顔はきょうが一番でした。(連敗)阻止の1勝もうれしいけど、みんなの気持ちが一つになった勝ちがうれしいんですわ」。吉田監督はゆっくり、フーッと、煙草の煙を吐き出した。12連敗の間味わい続けて来た苦みはない。会見の声も上ずっていた。65歳の老将にとって、生涯忘れ得ない1勝だった。

 吉田監督も、闘争心をかき立てた。勝負師になった。6回1死三塁。大豊の右飛で、三走今岡がホームへ突っ込んだが判定はアウト。タイミングはセーフだけに、吉田監督は髪の毛を逆立てて怒った。目を吊り上げ、口から泡を飛ばして上本球審に猛抗議。子供がダダをこねるような地団駄を踏み、脱いだ帽子を地面に叩きつける格好で怒りを表すこと5回。だが覆らない判定に、ついに帽子を地面に叩きつけた。

吉田監督  就任以来、これほど激しいパフォーマンスは初めて。すべては連敗ストップへの執念だった。球団史上一番暗かったトンネルから、16日ぶりにやっと抜け出した。延長10回1死一、三塁。遊ゴロの坪井が一塁へ激走し、併殺崩れの間に決勝点を奪った。形は不細工だ。だが何より白星に飢えた虎軍団は、この瞬間が欲しかった。

 リベラが最後の打者正田を抑えると、ベンチは「ヨッシャー」の雄叫びとともに、誰彼となく抱き合った。それを演出したのは吉田監督の気迫であり、主役は半分涙目、声を詰まらせてハイタッチの列に加わったエース藪だった。

 藪は12連敗中、2試合もKOされた。男の意地がこの日のすべてだった。「5回のつもりで最初から飛ばした」。完投が当たり前の大黒柱が「5回」と言った。それほど、勝ちたかった。3回には自らチーム初安打となる左翼線二塁打で出塁。ケン制球が右上腕部を直撃したが、「それを逆のバネにした」。激痛に顔をしかめながらも、9回を4安打2失点。「ボク自身もふがいない試合が続いていた。だから何とかしたかった」。7勝目のお立ち台は、藪にとってもまた忘れられないものとなった。

「退場させろ」とも
 上本孝一球審(35)の話(6回表、阪神吉田監督の猛抗議に)見たままのジャッジをしただけです。監督は「どこを見ているんだ」と抗議に来たがその中で暴言はなかった。「退場させろ」というニュアンスのことも口にしていたが、そこまでではなかった。
 「前の10連敗を止めたのも岡山でしたな。日時も覚えてますワ」。実は9連敗(76年)だったが、吉田監督はそんな昔を出して、“縁起”を口にした。「ムードは変わる? 変えなきゃいけない!」と藪がキッパリ言えば吉田監督も「持続、継続。きょうのように明日もベストを尽くしたい」と言葉にも力強さが戻って来た。

 今岡(6回、大豊の右飛で本塁突入するもタッチアウトの判定)「完全にセーフですよ。ブロックもされていないです。アウトならあんなに(抗議を)言いませんからね」

<写真=(上)黒星街道を抜け出した阪神ナインは、マウンド上で勝利のハイタッチ(下)よっさん怒りの抗議で大パフォーマンス! 6回今岡のホームアウトの判定に不服。“あんたらちゃんとみてや”帽子を振ってじたんだを踏む>

(34勝63敗)


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