98年タイガース戦跡 第81戦(7月30日)ハンセン3戦連発で3連勝
【勝】井上 【敗】高橋建
火付けはまたもこの男、前夜劇的サヨナラ弾を放ったハンセンだった。2回1死、白木のバットを弾いた快弾が、伸びた、伸びた、グングン伸びた。中堅ペレスが見上げた着弾点は、前夜の劇弾と同じバックスクリーン右横だ。2日がかりの2打席連続7号弾は、左投手(高橋建)からの来日初本塁打。そして、何より阪神外国人では、あの87年バース以来の快挙となる甲子園3試合連続アーチだった。 「3連発なんて、今まで経験がないんで何とも言えないよ。でもうれしいのは間違いない」。メジャー8年でわずか15発の男は、初体験に興奮した。「球宴前に二軍に落ちて、メジャーを目指していた頃のがむしゃらさを思い出した。自分にはプラスと考えたい」。炎天下の鳴尾浜で初心に帰った男が、球宴明け一軍復帰をして3発&打率4割だ。そして、この復調助っ人の号砲が、「虎祭り」の合図となった。 圧巻は6回だ。先頭新庄が三塁線二塁打で口火を切ると、投前送りバントの矢野輝が激走の内野安打で一、三塁。ここで代打平塚が左前へ弾き返すともう「ワッショイムード」は止まらない。坪井が送りバントで二、三塁とすると、これまた結膜炎から復帰の代打和田が、遊撃へタイムリー内野安打。「まだ目がかすむ状態。だから初球にかけた」。そう言う35歳意地の一撃に、「気合が入った」と年齢一回り違いの今岡も続く。気迫の右翼線2点三塁打を放つと、続く桧山もダメ押し犠飛。「こんな点の取り方は、もう忘れるくらい久しぶり」。吉田監督も、そう言って苦笑いだ。1イニング5得点は5月20日の巨人戦(福岡D)以来、実に47試合ぶりの爆発だった。 ベテラン、若手、そして助っ人が一つになって5年ぶりの広島3タテ。これぞよっさんが就任以来掲げて来た「一丸野球」の神髄だ。沸き上がる好ムード、勝ちへの喜び…。まだ借金19といえど、虎はまだ、白星に飢える軍団だ。
<写真=地元で3連勝!6回満塁の好機に走者一掃の三塁打を放った今岡(中)はベンチ前でナインの祝福を受ける、右はハンセン> (31勝50敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報] ![]() |