98年タイガース戦跡 第73戦(7月15日)前半戦最下位ターン決定
【勝】伊藤 【敗】メイ
帰りのバス車内の電気は真っ暗に消されていた。白い歯を見せるものはいない。そして吉田監督は自らの席に、カーテンを引いた。ファンに“顔向け”出来ない1安打1得点の赤っ恥惨敗劇。
一つ間違えば、ヤクルト伊藤智の前にノーヒットノーランを食らっていた。唯一の得点、唯一のヒットは3回、新庄が放った100号王手の先制2号ソロ。それも外角高めの“クソボール”をガツンとやった出合い頭だった。 「きのう1本出たんで気楽に打てた。ボール球でしたかね」。本人は2日がかりの2打席連続弾に上昇の手ごたえも感じたようだが、この“事故”がなければどうなっていたことか。その後一人の走者も出せないのだから…。 「内野ゴロが少なかったやろ?(5個)」。一枝ヘッドが嘆く通り、悲しいほどの力負けだった。「直球を狙え」というベンチの指示に従っても、非力虎打線はすべて差し込まれてポップフライの山。もはや大人と子供の勝負で、先発好投のメイが逆転されるのを待つだけだった。伊藤にはこれで今季18イニングでわずか3安打1得点。しかも今季はや3度目の1安打負けに、「熱出るわ〜」と福本打撃コーチは頭を抱えた。 6カード連続の負け越しで、借金はついに最多の17。そして球宴前の最下位が決まった。過去プロ野球史の中で、このパターンから優勝した例はなく、これでV確率は0%になった。 「1安打1点じゃふがいない。雨の中ファンも激励してくれてるのに…。頑張って前向きに行くしかありませんな」。前夜の敗戦には激怒した吉田監督だが、この日はそれすら消えうせた。まだ7月というのに、虎に秋風が吹き始めた。 福本打撃コーチ(2戦連発の新庄に)「ボール気味だった? いや打ってもええ球や。うまくヘッドを効かした打撃。昨日の一発が大きかったんやろ」 <写真=(上)ああ、また負けでっか。ただ今最下位をバク進中のタイガース、ヤクルトにも相手にされなくて和田(中央)が代表して「ファンのみなさまごめんなさい」って頭さげてます(下)この日、阪神唯一の安打となった新庄の2号ソロ> (28勝45敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報] ![]() |