Tigers

98年タイガース戦跡



第71戦(7月12日)対巨人戦500勝を記録

東京ドーム
阪 神
巨 人
  【勝】リベラ 【敗】野村 
  【本】和田2号(ソロ=小野)平塚3号(2ラン=小野)広沢9号(3ラン=井上)

和田  スカッとするようなタイムリーなんていらない。どんな得点でもいい。とにかく巨人に勝ってほしい。これがファンの祈りだ。「苦しい試合でしたが、久しぶりに勝って…選手もみんな悔しさを感じているんですよ。だから、うれしい1勝です」。吉田監督も素直に喜んだ。美しいヒットと同じくらい、地味で泥臭く粘っこい仕事も価値がある。

 均衡が破れたのは8回だった。先頭の桧山が詰まりながら中前打、平塚の四球でチャンスが広がった。代打八木の右飛で1死一、三塁の場面、矢野輝のスクイズはファウルとなって失敗。しかし気落ちすることなくカウント2―3から3球ファウルで粘って四球を選んだ。
 満塁の場面では、新庄がボールをたたきつけて一塁へ懸命に走った。この遊ゴロを、巨人川相が二塁へ悪飛球。「あの場面、フライを挙げるんじゃなく、新庄なら転がせばなんとかなる。それが分かったんと違うか」と福本打撃コーチ。虎の粘りが、巨人にミスを呼んだ。わずか1安打で2点。この攻撃こそ、吉田阪神が目指す粘りなのだ。

 「歩いたためにチャンスが広がったんです。いつも反対にやられていた。一球の怖さを知ってほしいですな」。一球で局面は変わる。だから吉田監督は細心の注意を払う。5回2死で清水を迎えると、先発井上から吉田豊にスイッチ。6回2死満塁では吉田豊から伊藤へバトン。目まぐるしい投手リレーでピンチをしのいだ。
 巨人先発を左腕小野と読み、平尾を抜テキした52通り目のオーダーも執念の表れ。借金地獄の中でも最善を尽くす姿勢が、初回の和田、平塚の一発を呼び、巨人の足元をすくった。

 これで巨人戦通算500勝。「大きく負け越し(705敗)てるでしょ。昔は先輩方が頑張って貯金してくれてたんですが…でも一つの節目。伝統ある阪神という意識を持って盛り上げていきたい」。借金15はまだまだ重たい。しかしこの日の粘りがある限り、虎にも未来はやってくる。

<写真=初回先頭打者ホームランの和田を新庄は笑顔で出迎える>

(28勝43敗)


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