98年タイガース戦跡 第67戦(7月8日)大魔神からしっぺ返し
【勝】斎藤隆 【S】佐々木 【敗】メイ
あれだけ弾けた笑顔は24時間後、どこにもなかった。吉田監督、一枝ヘッドは眉間に深いシワ。前夜のヒーロー矢野輝は唇をかんだ。0―1で今季9度目の完封負け。そしてだれもいなくなったベンチでメイが両手を後ろ手に組み、ウツロな視線をさまよわせていた。 「特にいうことはない。打線が打ってくれるまで、我慢して投げるよ」。右足でベンチを蹴り上げると何度も首を振って、ロッカーへ消えた。 打てない。どうにも打てない。前日逆転サヨナラ勝ちの運も勢いも、弱虎は味方に出来なかった。そして6回1失点のメイがまたも見殺しになった。打線は2回の1死二塁など5度も得点圏に走者を送りながら、斎藤隆の前にあと1本が出ない。 守備重視に切り替えたここ12試合平均が2得点の貧打線とはいえ、得点なしではメイも浮かばれない。「点取れないですな。これだけ取れないと弱いですわ。ピッチャーが好投しても報われんなあ」。吉田監督も嘆き節しか出なかった。 ファンは敏感だ。前夜の快勝をフロックと見込んでいたのか、球団営業部も観客増を見込んでいたが、フタを開ければ前日と同じ2万8000人。この日動員100万人を突破したが、昨年よりペースは4試合遅い。一発の魅力もなく、毎度毎度同じ負けパターンを繰り返し。「勝つか負けるかという気迫みたいなものが見られない」と指揮官が嘆く最下位独走では、ファンもますます離れて行く。 これでリーグ最速の40敗目を喫し、借金は再び最多の13に逆戻り。そして早くも自力V消滅までマジック1となってしまった。夢と希望が、どんどんしぼんで行く。 一枝ヘッドコーチ(相変わらずの貧打ぶりに)「カウントを取りに来る直球をあっさり見逃し過ぎや。毎回同じことの繰り返しだが、もっと積極的に行かないと。もっとメイを援護してやらな…」 <写真=たったの1点をひっくりかえすことができず4敗目を喫した阪神のメイ。試合が終わってもベンチに座り込んだまま横浜の幕切れを見つめていた> (27勝40敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報] ![]() |