Tigers

98年タイガース戦跡



第59戦(6月28日) 連敗を3で止める

甲子園
ヤクルト
阪  神
 【勝】竹内 【S】リベラ 【敗】北川 

新庄  万感の思いがこもっていた。両こぶしを握り締め、力いっぱいガッツポーズ。さらに平田ベースコーチとハイタッチ。二人の走者が生還するのを見届けた新庄は、一塁ベース上でこれまでの苦悩を断ち切った。

 1点リードの8回2死満塁。初球、中途半端な空振り。だが逆に、気持ちが振っ切れた。続く2球目、高めの変化球に迷いなくバットを出すと、転がった打球は遊撃宮本の右を抜けた。ダメ押しの2点適時打だ。

 「最初の満塁(4回2死満塁)では、三振したらアカンと思って三振してしまった。だから今度は、三振してもいいから、ストライクゾーンに来たら、打っていこうと思ってました」

 タイムリー安打は何と、川尻の無安打無得点をアシストした5月26日の中日戦以来、1カ月ぶり。「かなり前ですよね」。本人も思い出せないほどの空白だった。

 打率2割7厘。本塁打ゼロ。打点もやっと9。前の打席では送りバントも命じられた。好調だったオープン戦中のビデオを見て、打撃フォームをチェックするなど、悩みに悩み抜いた日々。しかし、新庄らしい『思い切り』を取り戻したことが、超久々のタイムリーを呼んだ。

 「新庄のダメ押し2点打が効きました。とにかく彼には立ち直ってほしいんです」。スタメンから外すなどの荒療治を施してきた吉田監督も、新庄復活の兆しにニンマリだ。

 さらに指揮官を喜ばせたのは、鉄壁の守りだ。前日は三塁星野の失策をきっかけに逆転負けの憂き目にあったが、この日はその星野がたびたび好捕をみせた。6回、土橋の三遊間へのライナーを倒れ込むようにキャッチ。遊撃今岡も5回、副島のセンターに抜けそうなゴロを華麗にさばいた。

 「きのうとは対照的に、バックが投手を盛り上げてました。こういう展開で勝つのがウチの野球です」

 理想とする守り抜いての完勝。今季通算得点はリーグ・ワーストの215(1試合平均3・6点)だが、少ないチャンスを生かして、守り切れば、勝機は増える。新庄の復調とあわせて、吉田監督はチーム浮上のきっかけをつかんだ。

<写真=お久しぶりにこの笑顔、新庄様、あなたはやっぱり打ってなんぼです>

(24勝35敗)


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