Tigers

98年タイガース戦跡



第50戦(6月16日)よっさんイライラ借金10

静岡
阪 神
横 浜
 【勝】三浦 【S】佐々木 【敗】川尻

川尻  真鍋一塁塁審の広がる両手に、川尻は一瞬、目を見開いた。悔しそうに、そしてあわててホームを振り返ると、三塁走者谷繁が走りこんでいた。0―0の均衡が1プレーで崩れ、トラの勝ち運は逃げ去った。

 8回裏。先頭谷繁に打たれた右前打が、この試合4本目だった。それまで二塁進塁が1度だけの完封ぺース。バント、内野ゴロで2死を奪い、谷繁は三塁へ進んだ。代打井上の当たりは一塁線上にボテボテと転がった。ファウルか。一塁八木は見送る構えから拾い直してタッチにいく。が、井上の背中を追ったミットは、届かなかった。

 「あれは(ファウルに)切れない。どこまでいってもフェアだね」。明暗を分けた緩いゴロを、川尻は受け止めた。わずか5安打で今季2敗目。4月24日以来の黒星に「気持ちを切りかえる」と言った。

吉田監督  守備重視で新庄の先発復帰を予告していた吉田監督も、地方球場の狭さからパウエル、平塚起用の攻撃型オーダーを続けた。思惑とは裏腹に、打線は沈黙で川尻を見殺した。5回表には安打、四球で無死一、二塁と攻めたが、矢野輝が遊ゴロ併殺。「バスターでいったのですが…。(横浜の)三浦はいい球で、僅少差になるとは思ってました」と吉田監督も消えた勝ちこし機を悔やんだ。

 雨で2試合流れ、川尻は今季最長となる中8日をあけてのマウンドだった。必勝態勢。5月に入り不敗男として先発の軸となった川尻で敗れるとチームは苦しい。今季2度目の4連敗で、30敗目。借金はついに二ケタ「10」と脹らんだ。

 最下位脱出の糸口が見えない黒星に吉田監督もいらだった。会見の最後には「皆さん方(報道陣)と監督との戦いがまた始まりますな」と興奮したようにまくし立てた。ペナントレースからの脱落さえにおわせる指揮官のセリフ。トラに早過ぎる終戦記念日が訪れたのか。トンネルの出口はかすんでいる。

<写真上=ああこの1点が…。8回2死三塁のピンチで川尻(左)は代打井上をボテボテのゴロに仕留めるが、八木のダッシュが遅れタッチが出来ず内野安打となり決勝点を許す 写真下=4連敗の借金「10」でついにキレた? よっさん。バスの中で両手を上げ怒りのポーズ>

(20勝30敗)


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