Tigers

98年タイガース戦跡



第49戦(6月12日)大豊代打同点3ランも一瞬

甲子園
広島
阪神
 【勝】玉木重 【敗】伊藤
 【本】緒方9号(ソロ=メイ)、緒方10号(ソロ=葛西)、大豊5号(3ラン=小林幹)
大豊  いくら追いかけても、追いかけても勝利の女神は逃げていった。あと一歩、いやあと半歩足りないのか。驚異的な粘り腰で、虎は食い下がった。2点勝ち越された延長12回裏、1点を返してなお2死二、三塁。一打出れば、サヨナラの場面だ。

 甲子園12連敗ストップ、そして最下位転落阻止へ。しかし願いを託した平塚のバットは中途半端に空を切り、あっと言う間に夢から現実に突き落とされた。

 「後手、後手。2アウトから点を取られる。久しぶりに大豊が同点3ランを打ったんですが…でもあこからが勝負弱いですな」

 吉田監督も、ファンと一緒に一度は夢を見た。1―4とリードされた9回裏2死一、二塁。代打大豊のまさかの? 同点3ランにファンは酔った。4月29日のヤクルト戦(神宮)以来29試合、60打席ぶりの一発がライトスタンドではねた。1カ月以上も勝利に見放されている甲子園が、久しぶりに沸いた瞬間だった。

 大豊もゆっくりとベースを回って感触を味わった。最近は神様八木に一塁を奪われ、代打では4連続三振(1四球を含む)の悲惨な状態。1億8000万円の“フラミンゴ”は復調のキッカケをつかめず、もがき苦しんでいた。

 「結果を出せて、本当にうれしいよ。でも勝ちたかった…」。劇的アーチも勝利に結び付かない。神に見放されたとしか、もはや言いようがない。

 「こういう戦いを、どう踏ん張り、糧にしていくか。選手も悔しい思いをしてます。明日に向かって挑戦していきますワ」

 吉田監督の声はガラガラだった。興奮で目は充血していた。球団ワーストの甲子園12連敗で、ヤクルトと同率最下位転落。粘って、粘って広島を苦しめたが、1敗には変わらない。甲子園に六甲おろしの歌が消えてから、37日がたった。

<写真=9回裏の土壇場、会心の同点3ランを放った大豊を出迎える吉田監督らナイン>

(20勝29敗)


[第48戦へ]  [第50戦へ]
[98タイガース戦跡目次] [阪神情報]

Home