98年タイガース戦跡 第42戦(5月31日)川尻完ぺき!鬼門千葉で○
【勝】川尻 【S】リベラ 【敗】伊藤
あの快挙は、つい5日前。倉敷で110球を投げ、ノーヒットノーランを達成した。川尻の偉業も、その後チームが連敗して、勢いを呼び込めない。負ければ最下位に転落するゲームで、今季初となる中4日の緊急発進。祈る気持ちで、吉田監督が送り出した。 「前から中4日でも行けると言ってましたから」。指揮官の指名、ファンの期待を、川尻は意気に感じた。「負けたら最下位…それは意識した」。前回を思い起こさせる好投を再演してみせた。 6安打されても、付け入るスキはない。8回に守護神リベラと代わるまで、三塁を踏ませなかった。6回無死一塁、7回1死一、二塁とピンチに立った。落ちついて変化球を引っ掛けさせて内野ゴロ併殺に打ち取った。今度は102球で7回無失点。0行進は3試合、19イニングと伸び、防御率2・66(リーグ6位)で規定投球回に到達した。 初回、3番稲葉に許した二塁内野安打が、5月19日の巨人戦(福岡ドーム)で松井に二塁打を浴びてから、33人目の被安打。「どうということ、なかった。あのノーヒットノーランは、自信にしようと思っていたし」。球史に名を残した登板に、川尻はけじめをつけていた。倉敷では伸ばしていた不精ひげも、ゲンはかつがずサッパリそり落とした。「投げる試合は全部勝ちたい。それだけ」。6連敗中と鬼門の千葉、2勝10敗と分の悪いデーゲーム…。快投ついでに、やっかいなジンクスもまとめて消し去った。 0封バトンを託されたリベラは、2回をパーフェクト救援でゲームセットだ。5月20日の巨人戦(福岡ドーム)から8試合ぶりの実戦マウンド。来日以来、最長の登板間隔だが「ブルペンでみんなに助けてもらい、調子を維持できた」とノープロブレムだった。2回3失点とバタバタした前回とは別人。149キロの速球にタテのスライダーを、ズバズバ投げ込んだ。打者6人で3三振。「失点なんてすぐに忘れた。きょうだって、もう過去だ。あるのは、あしただよ」。「ゼロ神話」もここから再出発だ。 快挙に続いて、チームを救った川尻を吉田監督は「ローテーションが苦しい中、ありがたいです」と持ち上げた。今やド太い先発の柱。それに守護神の復活が重なった。川尻―リベラ、完全な0封リレーが、トラの6月反攻を予感させた。 <写真=最下位だけはごめん! とナインは踏ん張った。川尻の後を受け最後を締めたリベラ(左)はナインとハイタッチ>
▼450勝以上の阪神監督 阪神吉田監督が、5月31日のヤクルト9回戦で勝利を収め、監督通算450勝(452敗、56分、勝率・499)を記録した。阪神監督で450勝以上を記録しているのは、藤本定義の514勝(424敗、24分・548)、松木謙治郎の460勝(352敗、12分・567)で、吉田監督は3人目。以下、若林忠志334勝(262敗、24分・560)、中村勝広321勝(406敗、4分・442)村山実310勝(321敗、19分・491)が監督300勝以上。藤本監督は在籍8年(途中交代あり)、松木監督は7年。吉田監督は8年目途中。 (18勝24敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報] ![]() |