98年タイガース戦跡 第29戦(5月13日)連敗止めた!八木が決勝打
男と男の勝負だった。桧山今季初の送りバント、7番に下がった大豊が山本昌に執念勝ちして作った2死一、三塁。「歩かされる感じも少しはありましたよ。でも山本君なら勝負して来ると思った」。18・44メートルの距離に感じる真剣勝負のにおい。八木も燃えた。2―3から外角に沈むシンカー。「最後は食らいついた」執念が勝った。 「歩かされるとも思いましたが、ホンマによう打ってくれました。もう八木様様ですわ」。吉田監督も言葉が見つからないほど、興奮していた。負ければ4連敗で借金は今季最多タイの5。苦手ロードが北陸、広島、福岡と続く中でデッドライン寸前の白星だった。驚異の代打率はこれで19打数9安打で4割4分4厘。「何で打てる? 勝利が一番うれしいし、勝ちたい一心だからですけね」。ありふれた言葉の中に、選手会長は勝利への執念をにじませた。 福本打撃コーチは言う。「当たり前のことやが、今のウチでは八木と平塚ぐらいやろ。アレをやってるのは…」。試合前の打撃練習では、必ず予想される相手投手を仮想しながら、一球一球を打ち込む。変化球を要求してタイミングを測ったり、打席の位置を変えてみたり…。この日は同じ左腕・宮本打撃投手を山本昌に見立てていた。 そんな八木に球宴出場の夢も膨らむ。ファン投票応募マークシートには代打の欄がないため直接「八木」と書かねば票にはならない。それを球団広報紙でもある「月間タイガース」で呼びかけ、2度目(一度は故障で辞退)の出場を呼びかけようというものだ。異例の球宴出場作戦での選出もいよいよ現実味を帯びてきた。 連敗を止めた救いの一撃。背番号3が、虎を再び上昇気流に乗せた。 <写真=これぞ百万石ヒット! 9回表2死一、三塁、執念で食らいついた八木の決勝打が右前に達した> (13勝16敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報] ![]() |