Tigers

98年タイガース戦跡



第21戦(4月30日)桧山執念のヤク払い打

【勝】郭李【S】リベラ【敗】伊藤【本】ハンセン2号(ソロ=田畑)、ハンセン3号(3ラン=田畑)、桧山4号(ソロ=田畑)、辻2号(3ラン=川尻)、土橋1号(ソロ=葛西)
阪  神
ヤクルト

桧山  ドロ沼からチームを引っ張り上げたのは、やっぱり4番だった。ジャストミートで捕らえた桧山の打球が、ライト前へ転がっていく。延長11回2死満塁。ヤクルト伊藤の144キロストレートを、虎の新4番がものの見事に弾き返した。三塁走者の郭李が勝ち越しのホームイン。一度はどん底に落ちた阪神が、この一撃で生き返った。

 「自分の打撃をすることだけ考えてました。結果は後からついてくる。もちろん、回ってくると思っていたし、準備してました」

 これが4番を打つ男の読みだ。決勝点は2死からつくったチャンスだった。郭李が遊ゴロ失策で出塁。和田が三遊間を抜いてつなぎ、この日2アーチのハンセンが四球を選んだ。桧山は郭李が出塁した時に、自身の出番を予感していた。5回には9試合ぶりの4号ソロをライトスタンドへたたき込み、気分も乗っていた。深呼吸を2度して、力まないように打席に向かう。こんな修羅場は、昨年100試合で4番を任されて何度も経験済みだ。盛り上がるレストスタンドには目をやらず、マウンドの伊藤だけに集中し結果を導いた。

 まさかこんな展開になるとはダレも予想していなかった。3試合連続で1回に先制し、5回にはハンセン、桧山のアベックアーチで5―0とリード。この日こそは勝てる―そう思った5回裏に、先発川尻が突如崩れて同点にされた。8回に山田の適時打で勝ち越すと、その裏には土橋の一発を浴びた。1戦目で4点差、2戦目では5点差からひっくり返された悪夢がよぎった。「連敗したけど、まだまだ諦めないという気持ちでした」(桧山)。あまりにも内容の悪い負けが続いていただけに、この試合だけは逆転負けするわけにいかなかった。

 「3試合とも同じパターンでしたが、やっと勝てました。中心打者が打ち一矢報いた。最終的には桧山が決めてくれた。リードして守ろうとしたら、勝負は勝てない。こういう気持ちの持ち方でペナントレースを戦っていかないと…」

 吉田監督もホッとした表情で話した。3戦連続逆転負けの土俵際から踏みとどまった価値は、はかりしれない。しかも、それを呼び込んだのは新4番。故障でリタイアした平塚の穴は、桧山が埋めてくれる。3連敗阻止で4月は借金1で終了。この3連戦で18点をたたきだした打線を頼りに、5月反攻へ挑む。

<写真=延長11回、満塁のチャンスに右前決勝タイムリーを放った桧山。4番の重責を見事に果たした>

(10勝11敗)


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