Tigers

98年タイガース戦跡



第14戦(4月21日)毎度おなじみ最後はリベラ

【勝】藪【S】リベラ【敗】マホームズ
横 浜
阪 神

緊迫のゲームを締めたリベラは、気迫あふれるマウンドさばきでナインを鼓舞した
リベラ

 リベラの気迫が、白球に乗り移っていた。内角をえぐる144キロに、思わずのけ反った佐伯。だが球審井野の右手は高々と突き上げられた。見逃し3球三振だ。9回、守護神の巨体が躍った。続く新井をドン詰まりの中飛。そして最後の打者谷繁を三邪飛に仕留めた。

 チーム5連勝は究極の1―0勝利。その有終を三人斬りの3Sで締めくくって見せた。登板4試合の防御率は0・00。この男が出てきただけでもはや勝ったも同然だ。最後は優しく2メートルの巨体を少しかがめて165センチ吉田監督とハイタッチをかわした。

 「1点差だったけど、今はチームの雰囲気がよくなってるから、いい緊張感で投げられたよ」。開幕3戦目の延長12回、捕逸でサヨナラ3連敗を食らった横浜との雪辱に、リベラは燃えていた。2試合連続完封ペースの先発藪が右広背筋痛を訴え、6回突如降板。スクランブル継投の最終バトンを受けたからだった。

 「藪がああいうことになって、苦しみました。でもきょうの1勝はみんなの力でのもの。大きいですよ。伊藤、弓長、リベラ…。本当によく投げてくれました」。吉田監督は何度も汗をぬぐい、声を上ずらせた。藪降板がベンチ裏で決まった6回2死一、二塁。指揮官が勝負をかけて送った代打の神様八木が見逃し三振に倒れ、流れは変わりかけていた。

 だが藪完封のシナリオは崩れても、虎の勝利の新方程式に揺るぎはない。「でも心の準備は出来ていたからね」。急きょ登板した伊藤が7回を気合のO封。そして8回は弓長だ。「1―0はピッチャーのゲーム。ここで失敗は出来ないし、気合入ったねえ」。最後のリベラにすべてを託した。これまでの4連勝は1試合平均8得点の打線におんぶにだっこ。投手陣のプライドにかけた意地の完封リレーだった。

 これがつなぎの神髄だ。エースのピンチを救援陣が救い、開幕3タテを食らった横浜をもなぎ倒した。ついに昨年7月5日以来の5割到達。横浜と入れ替わって4位浮上だ。「5割? まだ10分の1です。厳しいスタートでしたが、いよいよこれえからという感じです」。吉田監督も手ごたえ十分の恐るべき勢い、そして強さ…。虎の4月反攻は紛れもなく本物だ。

(7勝7敗)


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