98年タイガース戦跡 第10戦(4月15日)代打八木3ランでヤ倒
「(代打は)だれのところで行くのかと思ってたけど、正直ビックリしましたよ。和田さんなんて…。でもその分、気合入りました」。興奮に目を充血させ、八木は言った。その場面、打席には和田が向かおうとしていた。「あそこは文句なく八木!」。吉田監督は迷いなくベンチを飛び出した。監督就任以来、初めて送る和田への代打。そしてそれに意気を感じ、こたえて見せた八木…。以心伝心、師弟の心が勝利へのきずなでつながった瞬間だった。 2勝7敗のドン底、天敵ヤクルトを前にしての執念サイ配だった。不振の4番パウエルを外し、初スタメンの平塚を起用。1番には坪井を右翼で抜テキし、2試合ヒットのない桧山を外した。「桧山は去年、おと年と全試合に出ました。でもそれも加味してます。でも仕方ないですよ」。2年越しの連続試合出場は245でストップ。それでも心を鬼に、指揮官は勝利優先オーダーを選んだ。 調子を上げ、7番から5試合ぶりに5番復帰した大豊もこたえた。2回の打席。田畑のフォークを完ぺきに捕らえ、弾丸ライナーで右翼中段まで運んだ。「ボールがどこへ行ったか見えません!」。ラジオのアナウンサーも大絶叫、瞬く間の超特大2号ソロ。マンモス初アーチは移籍2度目のV打点となって輝いた。 「阪神は苦手かもしれないけど、ボクはヤクルトに苦手意識はないよ」。キャンプ中からそう口にしていた。96年対ヤクルト戦は4割1分6厘、8本塁打、22打点をマーク。「きょう(のヒーローは)は藪、八木だよ」と照れ笑いしたが、これ以上ない力強い味方が、天敵を食って復活した。 「スタメンを外れても、全員で戦うんだということを試合前に選手に伝えました。きょう、明日が大事な戦いだと思ってます」。全員野球の吉田執念サイ配ズバリ。これ以上ない完勝で天敵を倒し、再スタートを切った。さあ、巻き返しはこれからだ。 (3勝7敗) [98タイガース戦跡目次] [阪神情報へ] ![]() |