98年タイガース戦跡 第4戦(4月7日) 桧山2発で会心の初勝利
重圧が解けた。桧山はスラッガーに戻り、自分のスイングで白球を叩いた。最終回、右翼席に放り込んだ2打席連発の2ランで、トラの今季初勝利をグイっと引き寄せた。「おまけみたいなものですね。ヒジがうまくたためたし、もう一度打てと言ってもムリです」。非の打ちどころがない。128キロの内角カーブをコンパクトに振り抜いた。福本打撃コーチは「練習からよかった。長島(打撃コーチ)と、きょうは打ちよるでと話しとったんや」と明かした。爆発の予感は試合前からしっかりあった。 今季4試合目にして初めて7番に入った。左腕今中が先発と読んだ首脳陣は試合開始直前に“降格”を告げた。超攻撃型オーダーの期待を背負い開幕から2番に座った。しかし、開幕カード3連戦で1安打の打率1割。得点圏チャンスで三度、凡退していた。 「打順は変えない」と言っていた吉田監督が迷った末に決断した「7番」で、桧山に本来の姿を取り戻した。「早く自分の打撃がしたかった」。 1点差に迫られた8回表には、ゲームの流れを引き戻す1号ソロを放った。130メートル弾がセンターバックスクリーン右で弾んだ時に「降格」の屈辱などはれていた。 同じ生え抜きスターの新庄も光った。9回、二者を返す左中間二塁打を放った。オープン戦絶好調男も、これが今季初打点。「5回の中前打で気が楽に。それまで引っ張ってばかりだったから」と白い歯を見せた。この日は桧山と並んで6、7番。思えば昨季の開幕を3、4番で迎えたコンビが、重量クリーンアップをさしおいて、存在感を振りまいた。 開幕3連敗。30イニングで3点と貧打病に悩んだ。トンネルを抜けた原動力は下位打線を固めた桧山、そして新庄だった。
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