Tigers

98年タイガース戦跡



第3戦(4月5日) パスボールで3連敗

【勝】横山【敗】古溝【本】今岡1号(ソロ=野村)
阪 神
横 浜 1X

延長12回パスボールで
横浜にサヨナラ負け。

 あっ、サヨナラ…。開幕3連敗を告げる白球が、定詰のミットをすり抜けた。マウンドにはリベラ。阪神ベンチは声をなくし、ファンの悲鳴と絶叫が響いた。まさか、まさか…。ネット裏をむなしく転がるボールをあざ笑うかのように、三走新井が手を叩いてホームイン。そして絶対的守護神が、ボウ然と立ち尽くしていた。

 4時間22分の死闘の末に、悪夢の幕切れが待っていた。延長12回、1死満塁のピンチで打者ローズ。同点にもかかわらず吉田監督が勝負を賭けたのが、新外国人投手リベラの初投入だった。捕手も定詰にスイッチ。だが1―2からの4球目。皮肉にもこの日最速、145キロの外角低めの直球が定詰のミットを弾いていた。

 記録は捕逸。だが今季勝利の方程式でもあるリベラ投入での敗戦は、あまりにショックが大きい。「見ての通り。サインミスじゃない…」。定詰が唇をかめば、2メートルの大きな体を縮めたリベラは「ノー、ノー(ノーコメント)」と蚊の鳴くような声を絞り出し、何度も首を横に振った。

 4年連続勝ち越し中のお得意さん相手にこともあろうか一つも勝てず。「大阪の恥や!」「やめろ吉田!」「なめるな!」。バスの前で待ち構えたファンの怒号をグッと耐え、吉田監督は顔をしかめた。「リベラは苦肉の策で、大きなピンチをしのいでくれないかと…。でもパスボールはイカンねえ。攻撃も防戦一方で、最悪の3連敗ですわ」。

 自慢の重量打線も散発7安打で1得点。この日大豊、桧山、新庄にようやく初安打が出たが、3人で3連戦計3安打だけの貧打ぶりはあまりにお寒い。

 「私を叩いてください」。すべての批判を、吉田監督は一身に受ける弁で球場を後にした。


(0勝3敗)


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