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球団最多タイ80勝、金本激走&V打で決めた
えらいよなあ。見習いたいたいな。やっぱり金本は鉄人です。前日に左足首をねん挫しながら、涼しい顔で強行出場。そして、5回に先制タイムリー、7回には三塁打と大活躍です。チームに最多タイの80勝をもたらし、星野監督も「大したもんや」と大絶賛。これでマジックは「5」となった。阪神は明日から神宮、ナゴヤでロード6連戦。優勝はこの期間中に決まりそうです。ほんまに胴上げが近づいてきたんやなあ…。 左足首ねんざも何の、チームに勇気呼んだ金本は左足で打席の足場を3度、深く掘った。意を決した。2打席凡退で迎えた5回裏は、1死一、二塁と先制機だった。痛みを忘却のかなたに追いやり、ガシッと踏み込んでのスイングは139キロ直球を左中間に弾き返した。 「打ちたかった? チャンスでどうとかよりきょうは無理やり出たようなもの。チームに迷惑をかけられない。守りでも走りでも。それだけやったわ」。 前日6日に左足首をひねり、この日まで腫れと痛みが残っていた。「普通のやつなら休ませるが」と杉田トレーナーは口篭もる。プレーボール前に痛み止めの座薬、ボルタレン剤を投与した決死の出場を「浣腸したわ」と笑い飛ばした。ユニホームを着た以上、痛みを一切の免罪符にしないのが鉄人の美学だった。 試合前、星野監督が「(走る必要のない)ホームランか三振でいい」と話していたのを伝え聞いた。「そんなの嫌や。全部、出塁したる」と胸を熱くした。先制V打の後がなおすごい。7回の先頭で3番手河原から快打だ。低い弾道のライナーが右翼ポール際に伸びる。金網を直撃したクッションボールが今度は右中間を走り抜けるインパクト。さすがに足取りは鈍ったが、立ったまま三塁ベースに到達した。 「走りを緩めた? (スタンドに)入ったと思ったんや。そしたらとんでもないところを球が転がっとったからな…」。 広島時代から続け、現役トップのフルイニング連続試合出場はこの日で593。その古巣カープ時代、弟分としてかわいがっていた新井が足首を痛めて欠場したことがある。普段は優しい金本が、この時ばかりは説教した。 「お前、何で休むんじゃ。レギュラーやないのにそれでは、また試合に出られんようになるぞ」。 金本自身がプロ4年目で定位置獲得にに近づいてから、ここまで貫き通すポリシーだった。V目前のヘラクレス。星野監督も脱帽するしかなかった。 「そんなもの自分が悪いんじゃないか。でも大したものだと思うよ。痛いのに頑張ったのは認めるわ。あいつは肉離れやねんざでは(痛いと)言わない主義。そういうのを阪神に浸透させて欲しいな」。 もう十分に響いている。5回にはアリアスが満塁弾で続いた。7回の三塁打に、桧山と矢野が連続適時打でこたえる。金本の激打が8得点すべての呼び水だった。チーム記録に並ぶ80勝目を上げ、マジックは5。「相手もあるし、場所はどこでもええ」と星野監督は取り合わないが、宙に舞うのは神宮か名古屋か。出陣式をド派手に飾り、トラがVロードに旅立つ。【町田達彦】
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