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仙さんも絶叫!イッタ〜!逆転サヨナラ弾!矢野でM6
すごい打球でした。突き刺した、という表現がピッタリ。矢野の2ランは、バックスクリーンへ一直線。今季初、阪神史上14人目の逆転サヨナラ弾が試合を決めました。故障で8月に一度は戦列を離れていた男の意地の一発。これで優勝マジックは「6」。早ければ9日にもゴールイン。あんまり突っ走られると、心の準備が…。 プロ13年目で初…全身の震えが止まらない全身の震えを抑えきれなかった。矢野は一塁ベースを蹴ってからホームに戻るまで、右手を何度も突き上げながらピョンピョンと弾むように走った。声にならない叫びが、喉を振るわせた。捕手という職業柄、ハデに感情を現すのは試合後と決めている。自分のひと振りで敗戦寸前から生き返ったのだから、喜びを制御する必要はなかった。 「入ってくれ入ってくれと思いながら走った。後は何が何だか分からない状態だった」。 1点リードを許し、最終回の相手は守護神ギャラード。1死一塁から、劇的な虹をかけた。外角、やや高めに浮いた速球をジャストミート。低空をグングン伸びるライナーがセンターバックスクリーンに吸い込まれ、プロ13年目で初の逆転サヨナラ弾となった。 一塁ベンチの星野監督は「放りこめーっ」と絶叫した、興奮の数秒間。無論、打球を目で追った矢野に聞こえるはずもない。 「(センター)金城の追い方が捕れそうだったので入ってくれないかなと…。監督が叫んだ? きっとその一声で押し込んでくれたんですよ」。 誰よりも、闘将の口から発せられるゲキのパワーを知っている。星野監督に鍛え上げられ、技量を磨いた。98年、当時中日を指揮していた星野監督に、飛躍を期してトレードに出され阪神に移籍。古巣がリーグ制覇をしたのはそのシーズンだった。 「ボク自身、優勝を経験していない。そのときはみなさんと、大いに喜びたいと思います」。 矢野自身が火をつけた観客を、お立ち台でさらにヒートアップさせた。サヨナラ弾と同様、プロで初体験のVカウントダウンに心が躍る。マジックが一ケタに減り、ふと脳裏に浮かぶ歓喜の瞬間がだんだんリアルになってきた。 「まったく分からないんですが、イメージはする。もちろん守って決めたい。球を受けて、三振を獲れたらいいなとかね」。 グラウンドに立ってさえいれば、時間の問題だ。長期ロード中の8月7日に左わき腹を負傷。8試合を欠場して復帰したが、同月21日の中日戦で今度は左手を故障した。捕球のたびに、ジワジワ痛みがにじむ。当然バットスイングも鈍った。だが言い訳をせず、同じセリフを繰り返した。 「関係ないんです」。 苦悩は人にみせない。黙って結果を出す。そんな男たちの集団だ。星野監督も興奮を静めてまとめた。 「おれは当たり前と思っているから喜ばんよ。秒読みだけど、相手じゃない、自分たちで1つ1つ解決するんや」。 できればもう少し長く、このエクスタシー寸前の状況を楽しんでいたい。ぜい沢にもそう思わせるほど、猛虎のラストスパートは激しく力強い。【町田達彦】
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