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伊良部13勝目、全5球団から勝ち星

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Vマジック    


◇2日◇広島
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
阪 神
広 島
【神】(勝)伊良部、リガン、吉野、金沢、(S)安藤―矢野、野口
【広】(敗)高橋、西川、天野、玉木、鶴田―石原、木村一
【本】アリアス29号(2回、ソロ=高橋)、アリアス30号(4回、ソロ=高橋)
朝山1号(9回、2ラン=金沢)


 伊良部はなりふりを構っていられなかった。勝ち越しの2点をもらった5回裏。先頭シーツに対して、セットポジションで投球した。前田、新井と追い込んでから連打され、さらに慎重になった。野村、代打浅井と低めをつき、連続空振り三振に抑えた。

 「粘り強く投げられたと思う」。

 徳俵で踏ん張った。3者凡退は1度もなし。同点に追いつかれた4回にも、さらに1死二、三塁のピンチを背負っていた。ここも木村拓、緒方と連続三振でしのいだ。5回94球でスイッチ。過去の対広島戦で最も早い降板だったが、粘り抜いたご褒美として今カード初勝利を手にした。

 「よく粘った? いやバテバテや。よう2点で収まったと思うよ」。

 星野監督は絶賛を控えた。本来の力を思えば、やはり広島戦では苦戦する。だがここぞの局面でフォームチェンジに活路を見出した。見た目以上に器用で柔軟なのも伊良部の武器だ。

 「ボクはどちらもできるのでね」。

 3月オープン戦で中日に打ち込まれると、ワインドアップから振りかぶらない投法にすぐさま変えた。けん制のクセを見抜かれたと見るや、パターンを変えて次戦に備える。星野監督は試合前に「クイック(投法)の問題と思うんや」と、広島戦未勝利の要因を挙げていた。突然のセットポジションは、理詰めなまでに欠点を消していく右腕の試行錯誤だった。

 打線の援護とかみ合った投球術で、広島アレルギーを克服した。井川に続く13勝目で、虎投の誰よりも早く全球団から勝ち星を挙げた。ターゲットはまだ残っている。相手は未定だが、あの舞台に進めばパ・リーグ覇者からも白星を頂く。【町田達彦】


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