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伊良部160キロ出す…股関節強化で球速アップへ


 伊良部が引きこもり? その裏で160キロ計画を実行していた。阪神主力26選手は25日、沖縄・宜野座で合同自主トレをスタートさせた。メジャー帰りの伊良部秀輝投手(33)はブルペン投球の時間帯に約90分、ベンチ裏にこもる自己流調整。実は前田健トレーニングコーチ(34)を質問攻めにし、股関節を鍛え上げて球速アップを目指す考えを披露していた。

90分雲隠れ…トレーニングコーチを激論

 球場を圧倒的に支配していた伊良部の存在感が、すっと消えた。フリー打撃の準備にあわただしいメーングラウンドにも、バッテリー組が小走りで向かったブルペンにもその巨体は見当たらなかった。三塁ベンチから球場内部にこもり、移動バスが到着する午後1時前まで篭城。その間90分。日の当たらないベンチ裏で、自主トレ初日の貴重な時間を過ごした。

 「大勢での練習? 楽しかったですよ。ずっと(ベンチの)中にいた? まっいろいろやることがあるんでね」。

 伊良部は謎めいた言い回しでバスに乗り込んだ。宜野座村野球場のベンチ裏に、練習施設はない。食事のスペースや監督室、来賓室などの小部屋があるだけだ。一体、何を? 引きこもりの真相は、自分を高める理論を磨くことだった。

 ベンチ裏で伊良部に遭遇した前田コーチが明かした。「雑談していました。タバコもらえる? なんて話しから」。新天地での合同自主トレに初日から参加して、ムダ話に花を咲かせたわけではない。「そこから話題がどんどん広がって、レベルの高いトレーニングの質問を受けました」。専門家であるコーチに、メジャーで培った経験則をぶつけていたのだ。

 午前10時からのアップメニューに、外野で寝転び両足を上げ下げするストレッチがある。「あれは股関節を鍛える運動ですか?」。伊良部の疑問に前田コーチがうなずいた。すると「もっといい球、速い球を投げるのに、股関節を強くしたかった」と食いついた。あまりの熱心さに前田コーチは、キャンプ期間での「股関節強化特別メニュー」作成を請け負ったという。

 速い球を投げたい。単純明快な伊良部の野望は、160キロという夢の数字につながる。日本最速タイの158キロが有名だが、ヤンキース時代の97年にはマイナーリーグで99 マイル の剛球を投じた。159・3キロと、大台までコンマ以下に迫った。7年ぶり復帰の日本で、その上を目指す。向上心は止まるところを知らない。

 鳴尾浜で本格的に動いた今月15日には「体のケアなどは、メジャーでつかんだ経験があるから若い選手にも伝えられる」と理論派の一面をかいまみせた。タテジマ伊良部の頭の中で、誰にも真似できないスピードボールが組み立てられている。


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