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トラ主力抜け1点がやっと
ガラガラと崩れていく音が聞こえてきそうな光景だった。5回裏、先頭打者のブレットを藤川は空振り三振に仕留めた。だがワンバウンドのボールを吉本が後ろへそらす(記録は暴投)。さらに行方を見失っている間に振り逃げの打者を二塁まで進ませた。 前夜、暴投でサヨナラ負けしたときと同じ光景をきっかけに決定的な3点を奪われた。藤川が初回2失点以降は立ち直りを見せていた矢先。「捕手1人のせいじゃない? 捕手1人のせいやろ。若い投手が投げとるのに」と木戸バッテリーコーチは怒った。「しゃべりたくないです」と吉本は泣きそうな表情でバスに乗り込んだ。今季絶望の矢野が欠けた大きな穴を露呈した連敗。虎ファンは悲しい現実を突きつけられた。 わずか2日で浜中、ホワイト、矢野の3人が骨折で戦列を離れた。今季56通り目の先発オーダーは苦しい現状を物語るものだった。本来つなぎ役の沖原が5番に入り昇格したばかりのドラフト6巡目ルーキー藤原も7番左翼で起用した。開幕戦先発9人の推定年俸合計は7億1050万円だった。この日は3億7880万円とほぼ半減の布陣。ミスのない戦いをするのが勝利への最低条件だった。 試合前、星野監督は負傷者続出の厳しい状況にも「ここまできて引き下がれるか。冗談じゃない」と意欲を見せていた。前日10日のミーティングでも「ここで負けたら昨年までと同じや。歯を食いしばって泥にまみれてきたんがムダに終わるぞ」と選手にハッパをかけた。この日はミス続出と敗因ははっきりしている。このまま下を向き落ちていくわけにはいかない。「こういうときこそ前を向かないかん」。星野監督の号令の下、傷だらけの虎だが戦う姿勢だけは失わない。
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