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川尻ショー今季初星だ 左のポッケに膨らみがあった。川尻は照れくさそうに言った。「勝つっていいなあ。大事に持って帰るよ」。先発では00年9月22日横浜戦以来の勝利。98年にノーヒッターになった男もこの日のウイニングボールは格別だった。 反省に基づいた好投だ。7月4日のヤクルト戦から3度の先発も未勝利。3戦の防御率は3・78も勝負どころで球が甘くなった。特に左打者への攻め。今回のマウンドでは「先取点を取られないよう慎重に投げた」。左打者の膝元への落差あるカーブが光った。6回、8回とあわや失点の場面も味方の好守に助けられた。「2つも(本塁で)殺してくれるなんて初めて」。完封こそお預けとなったが、堂々の8回6安打無失点。 今季は自主トレから精力的に投げ込んだが、開幕は2軍スタート。「辛い時期だった」と振り返る。ただ自らのスタイルは変えなかった。33歳。すでにベテランの域だが「節制? してない。まだいけると思ってるから」。それでも投球に対しては謙虚だった。7月18日広島戦で2敗目の後、同じ横手投げの葛西投手コーチにアドバイスを求めた。「下半身に粘りがない」と指摘され、再び投げ込みに活路を見出した。今回の登板前2日間も蒸し暑いブルペンでともに100球以上投げた。体にムチ打つ“3連投”で本来のキレを取り戻した。 藪が戦列を離れ、井川、ムーアの調子も落ちてきた。星野監督は「浜中? それよりも川尻やろ」と復活を喜んだ。「まだチームはいい位置にいる。フル回転で頑張る。1番喜んでるのは家族じゃないの」。ローテの軸となる川尻は支えてくれた家族のもとへ急いで帰った。
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