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トラ浜中2発!V弾ソロ&16号3ラン
迷いなくフルスイングした。1点リードの6回裏2死一、三塁。浜中の目つきが変わっていた。投手との勝負に、1球に集中していた。フルカウントからの甘いスライダーをガツン! とひっぱたく。打球は失速することなく左中間席に消えた。「1球にかけたこん身の力を込めたスイングでした」。試合を決定づける3ランで初体験の1試合2発。それ以上に浜中の顔をほころばせたのが「ミスター・ソロアーチスト」の返上だった。 桧山に続きアリアスもケガで登録抹消の非常事態の中、1人で4打点をたたき出した。2回の先制アーチはカウント0―3。「打てのサインも出ていたし、迷うことなく振り抜いた」。左翼席へ力強く放り込んだ1発は阪神に6試合ぶりの先制点をもたらした。しかしソロ弾。15本塁打すべてソロは珍しい。だが浜中には喜べない記録だった。 「少し気になっていた。引っかかるところがあったからあの3ランはうれしかった」。7月24日の巨人戦で劇的なサヨナラアーチを放った。だが最近3試合、13打席連続無安打。前夜は悔しさのあまり眠れなかった。2日続けて練習前、志願して室内練習場に足を運んだ。悩みはバットを振って吹き飛ばした。あらゆるもやもやを晴らすアーチを夜空に2本もかけた。「うまく弾き返したな」と星野監督は若き大砲の頼もしい活躍に目を細めた。 主軸がケガで消えていく中、最も頼れる男に成長した。田淵チーフ打撃コーチは言った。「本人に言ったよ。ロードに出たら4番でいくぞって」。試合前、星野監督も「4番浜中」構想に触れていた。「ハマちゃんの名前を出すのがおかしい。打点ナンボや。今はプロセス。5番でも大変だろう」と慎重論だった。だが2発、4打点の大暴れを見せられては星野監督の心もグラリ動いたはず。浜中は「ボク自身に打順のこだわりはないが4番を打てと言われたら頑張るだけです」と言葉は控えめでも目は輝いていた。ケガ人続出であえぐ虎の救世主。和製大砲候補が堂々と主役を張る時を迎えた。
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