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乱闘甲子園の舞台裏

 甲子園の伝統の一戦で大乱闘が起こった。タテジマとYOMIURI、マウンド付近を中心に2つのユニホームが激しく押し合い、もみ合い、ぶつかり合った。阪神の闘将、星野監督が登場して乱闘の輪に加わると、スタンドからは興奮の歓声が津波のように起きた。乱闘の引き金となった巨人入来、阪神アリアスは両者退場処分。それでも大衝突は収まらず、中断は8分間に及んだ。

 7回裏2死走者なしだった。4番アリアスに入来の初球は背後に抜ける大暴投となった。アリアスは暴言を口にしながら、じわりとマウンドに歩み寄った。入来が逆ギレした。グラブを地面に投げつけ「やるんか!」と応じた。アリアスは突進してこぶしを突き出した。両軍ベンチからナイン、首脳陣が飛び出し、一気に大乱闘にふくらんだ。

 「退場のアナウンスが歓声でかき消されたのは反省です」。途中、友寄球審はマイクで収拾を図ったが1度ついた火は消えず、小爆発を繰り返した。

 「あれがすっぽ抜けならファームに行け。グラブまで叩きつけるとは何事だ」(阪神木戸コーチ)。「怒るような球じゃないだろ」(巨人鹿取ヘッドコーチ)。「おれは止めに入ったのに逆に周りに止められた」(阪神松山コーチ)。

 落ち着きかけたところで、退場したはずのアリアスは続けて打席に立とうとした。星野監督が再度ベンチを出て審判団に詰め寄った。「どうして両者退場だ。なら松井相手にヘボ投手を出してぶつけても松井が退場になるんか」。身振り手振りを交えて、激しく抗議した。

 アリアスは球場を去る際に「ノン」とはき捨てた。オリックス時代の2000年6月15日ロッテ戦でも自分に関係のない死球での乱闘に加わり退場となった激しい気性の持ち主だ。入来は「体は大丈夫、危険球と判断されればしかたがない」。首位巨人を追う、今季旋風を起こす阪神。伝統に彩られた両人気球団の対戦が、あらぬ方向でエキサイトした。

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