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でかした沖原、阪神連夜のサヨナラG倒
仙さんも興奮「スゴすぎる」意地を乗せた沖原の打球が右前に落ちた。その瞬間、津波のような大歓声が甲子園を襲った。9回裏1死満塁。連夜のドラマが起こった。途中出場の沖原が121キロスライダーを流し打った。サヨナラ劇にベンチは空っぽになった。「ストライクを思い切っていこう。それだけを集中していた」。プロ初のお立ち台にヒーローの声は震えた。 ラストチャンスだった。沖原の置かれた立場は今のチーム状況と重なり合う。「もう後がないんだ」。27日に迫った30歳の誕生日を前に沖原はそうつぶやいていた。関本や藤本ら若手の台頭で、スタメン出場は今季まだ14試合だけ。募る危機感に涙を流したこともあった。5月6日ヤクルト戦(甲子園)の試合後だ。二塁打を放ちながらも、2軍落ちを宣告された。そのとき、首脳陣の前で、人目もはばからず悔し涙を浮かべた。島野ヘッドコーチは「こういう奴が必ず上がってくる。強くなって帰ってくるんだ」と再起を期待していた。 そしてチャンスは巡ってきた。9回裏、打席に向かう前に星野監督に呼ばれた。「スクイズもあるからな」。ここで田淵チーフ打撃コーチの声が飛んだ。「沖原は今、バッティングがいい」。首脳陣は29歳の意地に賭けた。打て―。「いいところで回ってきた。やっと来たという感じだった」。沖原は期待にこたえた。 猛虎も2日続けて、根性を試されているようだった。24日の巨人戦で藪、桧山が負傷退場し、登録抹消。しかもこの日の試合前には、今岡の「右足ねん挫」が判明。今季初めてスタメンから外れた。2人のバットマンの不在。星野監督は「3割バッターが2人も抜けたのは痛い」とこぼした。しかしそこは闘将。「残ったものでやるしかないんや。意外にこういう時に勝つもんや」とすぐに気持ちを前向きにした。 残された者たちも闘争心をかき立てた。初回にアリアス、浜中の連続タイムリー。平下の2ランで4点を先制した。しかし試練は続く。7回に入来のアリアスに対する暴投で、両軍入り乱れての大乱闘。4番打者が退場する非常事態。8回には松井に追撃の2ランを食らい、9回には守護神バルデスが同点を許した。 それでも屈しなかった。瀬戸際の男が瀬戸際のチームを救った。星野監督も興奮を抑えられない。「スゴすぎるな。うちは絶対に負けられなかった」。劇的2連勝で貯金は「3」。首位巨人とのゲーム差を7・5に縮めた。「反骨の軍団」が夢をつないだ。
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