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藪粘りの8勝 ベンチで勝利の瞬間を見届けた。「パン、パンッ」。藪は何度も両手をたたいた。そして笑顔で立ち上がった。7回5安打無失点。3連勝で8勝目。もう安心していい。藪が本物の大黒柱になった。 新しい世界が開けた。2点を先制した直後の4回表1死満塁。広島の8番木村一との対決が勝負の分かれ道だった。カウント2―2からの5球目は145キロ直球。外角いっぱいに決まったかに見えたが、判定はボール。藪は少しの間、股を広げたまま動かなかった。自信の1球。しかしここから先が新世界だった。「ボールはボール。すぐに切り替えたよ」。ベンチの星野監督はじっと藪の投球を見つめていた。「あの後、いかれて(打たれて)しまうのが今まで。圧巻だったあ」。ファウルの後の7球目を変化球で低めに落とし、三塁ゴロの併殺に打ち取った。揺るがない集中力で山を乗り切った。 4回の踏ん張りは象徴的だった。今季は4月に4連勝したが、5、6月は黒星先行。00年も開幕から5連勝したが、調子を崩し、6勝10敗と失速した。しかし謙虚な姿勢で同じレールには乗らなかった。藪は登板までの間、ブルペンには1度だけ入るが、球数は必ず100球以上投げ込む。ただ投げるだけでなく、佐藤投手コーチと試行錯誤し、考えながらだ。藪は「通じるものがあるし、吸収していきたい」。同コーチも「しっかり(展開が)見れるようになった」と成長を実感。それ以外にも、阪神OBの名投手である小山、江夏氏らにも積極的に意見を求めた。「あれほどの方でも『原点は低め』とのことだった」。5安打4四死球と走者は出したが、ていねいな投球は忘れなかった。 これで98年以来の2ケタ勝利も見えてきた。「とにかく明日からだ」。次の試合しか眼中にない。後半戦は藪がチームを引っ張る。
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