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藪7回1失点、今季最多の10三振

 最速146キロストレートが、ズバッと決まった。内角低め。手は出ない。「ストライク!」のコールに、打者井上は思わずその場にしゃがみこんだ。汗と雨を一緒にぬぐい去った藪は、ゆっくりとベンチへ歩を進める。6回、1点を失ってなおも1死二、三塁。1球たりとも気を抜けない状況で、藪は山崎、井上を連続三振にとった。積み上げた奪三振は、今季自身最多の10個目を数えていた。

 フォークがさえた。4回2死満塁のピンチも、131キロフォークで井上に空を切らせた。「相手もわかっていたはず。それでも空振りがとれるくらい安定していた」。女房役・矢野も絶賛の切れ味。藪が本来の姿を取り戻し、7回を5安打1失点。自身4年ぶりの7勝目を手にした。「三振を狙って取れるピッチャーじゃない。とにかく低めに集めた。7勝? チームが1つでも上に行くことが大事だから」。チームの勝利が藪を満足させた。

 同じ33歳の矢野との呼吸がピタリと合った。「矢野の意図を考えながら投げた」。藪の右腕と矢野のミットは「信頼」というボールでつながっていた。4月下旬、矢野が左肩脱臼で戦列を離れた時は、互いに電話で激励しあった。「まだまだ老け込む年じゃない」。同年齢のバッテリーで積み重ねた10奪三振は新鮮だった。2人並んだお立ち台。ともに笑顔が雨粒で光っていた。

 「藪は(矢野の)配球どおり行きよったな」。星野監督も目を細めた。「あんな藪は久しぶり。もっと俺に見せてくれんかい」。闘将らしい藪賛辞が並んだ。7日の井川に続き、本拠地で右のエースが勝った。ムーアも含めた先発3本柱が、前半戦の最後で再び上昇カーブを描き始めた。井川、ムーアはオールスターへ。藪は「後半戦のためにしっかり休むよ」と笑顔。さらなる白星ラッシュを誓った。

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