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阪神、10年ぶり貯金ターン

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◇9日◇甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
中 日

阪 神
×
【中】(敗)川上、朝倉、岩瀬、紀藤―谷繁
【神】(勝)藪、金沢、バルデス―矢野
【本】矢野5号(2回、2ラン=川上)浜中13号(8回、ソロ=紀藤)

 お見事っ! トラが、なんと、1992年以来、実に10年ぶりの前半戦貯金ターンを決めました。クリーンアップが打たなくても、勝利に飢えた男、平下が、矢野が、そして浜中が奮起しての快勝です。投げても藪が7勝目。10日の前半戦ラストも勝って、巨人を追い詰めてみせる。

快振、平下だ矢野だ浜中だ

 水分をたっぷり含んだ重い空気をラッキーボーイ平下の一打が切り裂いた。2回裏1死三塁の先制チャンス。中日川上の外角直球を流し打った。打球は左前で弾む。桧山が両手を叩きながら先制のホームを踏む。球場全体が揺れた。劇的なサヨナラ勝ちで連敗を8で止めた6月29日の横浜戦以来の甲子園。そのときのヒーロー平下がまた殊勲打を放った。あの興奮が、感激が一塁ベース上で胸を張る平下の全身を貫いた。

 流れを阪神に引き寄せる大きなヒットだった。阪神先発の藪は、2回続けて先頭打者を四球で出す不安定な立ち上がりだった。そのピンチをしのいだこの回。先頭の桧山が四球を選び盗塁で相手エラーを誘い三塁に進んだ。だが続く浜中は二ゴロに倒れる。沈みかけたムードの中で平下は重責を担った。カウント2―2と追い込まれた。だがラッキーボーイは「こういう場面で回ってくるのはツキがあるんだと感じた」とプラス思考だった。その積極的な姿勢が鮮やかな先制タイムリーを生んだ。

 平下が作り出した押せ押せムードに矢野が乗った。7日の巨人戦、ルーキー真田を打ち砕く先制2ランを放った男が楽な気持ちで打席に立った。「藪の気合が自分の心にも伝わってきた」。同じ年の藪を少しでも楽にしたい一心で放った一打は左中間へグングン伸びた。「抜けたかと思ったけど入るとは思わなかった」。ドーッと沸き上がった歓声で打球の行方を知った。2試合連続の5号2ラン。矢野が本塁打を打った試合は5連勝。新たな神話が誕生した。

 「会心のゲームやった」と星野監督の口元も自然に緩んだ。先制、中押し、ダメ押しと奪い、先発が踏ん張って中継ぎ、抑えがピシャリと締めくくったのだから当然だった。無安打に終わったクリーンアップは5試合連続で打点がない。そのふがいなさを補う恐怖の下位打線だ。「藪はテル(矢野)に感謝せないかんな。(矢野も)平下が打って楽になったところがあるな」と星野監督は打のヒーローに2人をたてた。

 3連敗後の2連勝で貯金を3に戻し10年ぶりに前半戦「貯金ターン」を決めた。巨人に10―2と大勝した勢いを持続できたことに大きな価値がある白星だ。開幕7連勝の「虎フィーバー」に酔い、地獄の8連敗の苦しみを味わった前半戦も残り1試合。「どうしても勝って気持ちよく終わりたい。執念でいきますよ」。後半戦もペナントレースを盛り上げる。星野監督は力強く「連勝フィニッシュ」を誓った。

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