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男だ井川、2安打13三振の完封ドラマ
猛虎、アゲイン! 井川の球宴御礼星だ! 敵地神宮のヤクルト戦で2安打、プロ最多13三振を奪う今季4度目の完封ショー。2日、2002年オールスターファン投票の発表が行われ、阪神からは井川ら5選手が選ばれた。今季初の中4日登板となった井川が9勝目を挙げて、チームを約1カ月ぶりの連勝に導いた。星野監督も区切りの監督通算800勝を達成、W杯を終えた日本列島に再び虎フィーバーを巻き起こす。 3者連続K締めすべての球に魂が入っていた。井川の指先から離れた121球目、直球。ヤクルト宮本のバットは3度目の空を切った。フィナーレは3者連続三振。その瞬間、井川は左腕をだらりと下ろした。喜びを表すガッツポーズはなかった。「三振より勝てたのがよかった」。積み上げた自己最多13奪三振も、今季2度目の無四球完投も、今季4度目の完封勝利も、あらゆるデータは関係なかった。とにかく勝ちたい。井川は勝利の欲求だけで9回を駆け抜け、そして脱力した。マウンド上には真のエースがいた。 この日の登板に重圧はあった。チームは6月29日横浜戦でサヨナラ勝ちし、連敗を「8」で脱出した。しかし7月の反撃には、きょう勝たねば意味がない。首脳陣は井川をプロ入り初の中4日でマウンドに送った。佐藤投手コーチは「中4日? 不安はなかった。若いんだもの。自信をもって送り出した」と振り返る。前夜(1日)には投手陣だけが集まり、東京都内の焼き肉店で決起集会を行った。 チームの全幅の信頼が井川を突き動かす。初回から直球に球威があった。スライダーの切れ味もよく、ヤクルト打線を沈黙させた。味方打線も8試合ぶりの先制点で援護。「野手が一生懸命やってくれて、無失点に抑えられた」。尻上がりに調子を上げ、7回には自己最速148キロ直球でペタジーニを打ち取った。 特別の1日となった。この日の午後にオールスターゲームのファン投票結果が発表され、井川は先発投手部門で1位に輝いた。第1回の中間発表から1度もトップを譲らぬ堂々の選出。「ファンの方に投票してもらって、本当にありがたい」。昨年は監督推薦で初出場し、2回を3奪三振1失点。近鉄中村、ダイエー小久保から三振を奪ったが、印象に残るシーンは別のところにあった。「カブレラからホームランを打たれたことですね」。自慢の直球を西武の主砲に145メートルも弾き飛ばされた。パの強打者との対決は今年の大ブレークに無縁ではなかった。「みんなスーパースターばかり。投げられるだけで光栄」。夢舞台に立たせてくれたファンに感謝の投球だった。 特別な1日の最後には大役が待っていた。星野監督通算800勝のウイニングボールをバスで手渡した。次回登板も中4日で7日巨人戦が濃厚。自己最多10勝目まであと「1」に迫った。「投げるときは勝ちます」。真のエースは球宴前に一気に決める。 <写真=今季最多の13奪三振で完封勝利を挙げた井川は、9回の三人を三振で切り、雄叫びを上げる>
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