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虎ついに首位陥落…バルデス初黒星

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◇16日◇甲子園
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
巨 人

阪 神

【巨】上原、(勝)河原―阿部
【神】藪、福原、(敗)バルデス―矢野

 力尽きた。9回裏、2点差を劇的に追いついても直後の10回表に勝ち越されると再び追いかける余力はもうなかった。4番アリアスが三塁ゴロに倒れゲームセット。感情を押し殺していた星野監督はその瞬間、イスにひじ打ちしてベンチ裏へ消えた。粘りに粘っても巨人に首位を明け渡した。悔しさはその一撃に込められていた。

 「野球を知ってる人なら分かってるがアホみたいな守備。1点もやれない場面で頭を越えられるのは一番いかん。フェンスにへばりつくぐらいでええんや」。追い上げムードを一瞬でフイにしたのも記録に表れないミスだった。同点で守護神バルデスをマウンドに送った10回表、2死一塁の場面。元木に打たれた中越え二塁打を指摘した。松山守備コーチは「抜かれたら1点入るケース。定位置より後ろにさせていたんだが……」。それでも打球は上坂の頭上を越えていった。

 快進撃の勢いがバッタリ止まった。悪夢の始まりはこの日も8回だった。先発藪の後を受けた福原が炎上した。先頭の清水に右前打され、続く後藤のバントを二塁へ悪送球。1死満塁とピンチは広がり、斉藤に2点適時打を許した。「真っすぐを打たれたんなら分かるが変化球に頼りすぎ。自分の特徴を知らんのや」。2夜続けて同じような失敗での連敗が星野監督の表情を険しくさせた。

 この日も5万3000人、満員札止めの大観衆が詰め掛け、最後まで声援を送り続けた。だがこれで甲子園に5万人以上が入った試合で2勝10敗とイヤなデータを残した。唯一、希望を持たせたのが9回裏の粘りだ。アリアスの二塁打をきっかけに1死二、三塁として完投を狙った上原をマウンドから引きずり下ろし河原を引っ張り出した。そして代打八木の犠飛で1点差に迫り、矢野がフルカウントから同点打を放った。前夜も8点差を3点差まで詰め寄った。最後まであきらめないトラの魂を巨人相手に見せたことだけが救いとなった。

 バルデスに初黒星がついて19日ぶりに首位陥落。6日には今季最多12あった貯金も7まで減少した。「あかん、あかん。こんなことやっとったら」。星野監督の叫びが選手の胸にどう響くのか。今岡は誓った。「必ず巻き返しますよ」。虎ファンはこの言葉を信じるしかない。

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